事故報告書のテンプレート(工事現場・エクセル・PDF・無料)

このページの要点

  • 工事現場の事故報告書は、事故が起きた時に、何が起きて、なぜ起きて、どう防ぐかを元請や発注者に伝える書類です。けが人のない物損事故やヒヤリハットにも使えます。
  • 1枚目に発生日時と場所・事故の区分・けがの程度・かかわった人・発生の状況・原因・連絡と対応の表・再発防止策、2枚目から写真(1ページ2枚)を並べるひな形を、エクセルとPDFで無料で配っています。会員登録はいりません。
  • 働く人が亡くなったり休んだりした時は、この報告書とは別に、労働基準監督署へ労働者死傷病報告を出します(労働安全衛生規則 第97条・電子申請)。

工事現場の事故報告書のひな形です。エクセル(xlsx)とPDFを用意しました。エクセル版は「事故報告書」と「写真」のシート、それぞれの記入例のシートの4枚です。事故の区分は「人身事故・物損事故・ヒヤリハット」、けがの程度は「けが人なし・休業なし・休業1〜3日・休業4日以上・死亡」、事故の型は「墜落・転落/転倒/飛来・落下/はさまれ・巻き込まれ/切れ・こすれ/激突・激突され/その他」から選べます。

ダウンロード

PDFは、1枚目が本紙、2枚目と3枚目が写真のページです。写真が少ないときは2枚目だけ、多いときは2枚目を必要なだけ印刷して足してください。

事故報告書の記入例の1枚目。宛先の元請と報告日・会社名・担当者・電話、工事名・現場の所在地・発生日時・発生場所・事故の区分(物損事故)・けがの程度(けが人なし)・事故の型(飛来・落下)の欄の下に、かかわった人の表、発生の状況と原因、連絡と対応の表(お隣の方・元請・保険会社)、再発防止策と備考、受け取った方のご確認の欄が並ぶ
記入例の1枚目(外壁の塗り替えの現場で、足場から工具が落ちた物損事故・架空)。名前・地名・会社名は ◯◯ にしています。
事故報告書の記入例の写真のページ。左に写真、右にNo.・区分・場所・撮影日・説明の欄が並ぶ枠が縦に2つ。上はネットで囲った足場の全体の写真に「発生場所」、下は足場の上で外壁を塗っている人の写真に「対策のあと」と書いてある
記入例の写真のページ。発生場所の全体と、対策のあとの作業の様子です。

工事現場の事故報告書と、役所へ出す報告の違い

事故が起きた時に出す書類は、相手と目的で分かれます。このページのひな形は、元請・発注者・自分の会社の中に出す報告書です。役所へ出す報告の代わりにはなりません。

書類出す相手出すとき
事故報告書(このページ)元請・発注者・社内人身・物損・ヒヤリハットの別を問わず、事故が起きたとき
労働者死傷病報告労働基準監督署働く人が労働災害などで亡くなった・休んだとき(電子申請)
事故報告(様式第22号)労働基準監督署火災・爆発、クレーンの倒壊、建物の倒壊など、決まった事故のとき
事故記録簿会社に備える運送の仕事の車で事故が起きたとき

元請の現場では、元請が決めた様式や報告の手順があることが多いです。その時はそちらに合わせ、このひな形は下書きや社内の記録に使ってください。

欄ごとの書き方

1枚目の上の欄

欄書くこと
宛先報告する相手(元請の担当者・発注者・社内の上長など)
報告日・会社名・担当者・電話報告書を出す日と、報告する会社・担当者と連絡先
工事名・現場の所在地契約書や工程表と同じ工事の名前と、現場の住所
発生日時分かる範囲で、何時何分ごろまで
発生場所現場の中のどこか(「北面の足場の2段目」「2階の床の開口」など)
事故の区分・けがの程度・事故の型一覧から選ぶ。けが人がいなければ「けが人なし」

かかわった人の表

欄書くこと
区分けがをした人・当事者・被害を受けた方・見ていた人 など
氏名・所属名前と、どの会社の人か(下請の何次か)
職種・経験「塗装工・8年」のように。けがの原因を考える手がかりになる
けがの部位と程度「右手の甲・打撲」のように。けががなければ「なし」

1枚目の下の欄

欄書くこと
発生の状況何をしていて、何が起き、どうなったかを順に
原因なぜ起きたか。人・物・作業のやり方・管理の面から
連絡と対応救急・警察・元請・被害を受けた方・保険会社などへ、いつ、何を伝えたか
再発防止策同じことを起こさないために変えた手順や設備
受け取った方のご確認報告を受け取った人の確認日と名前

記入例の読み方(足場から工具が落ちた物損事故)

  • 発生の状況は「何をしていた → 何が起きた → どうなった」の順に書いています。最後の「下に人はいなかった」は、けが人がいないことを読む人が確かめられる1文です。
  • 原因は「工具を板の上にじかに置いていた」(作業のやり方)と「足場と壁のあいだが広く、ネットの下が留まっていなかった」(設備)の2つに分けています。再発防止策が、その2つにそれぞれ答えています。
  • 連絡と対応の表は、時刻の順です。被害を受けた方へのおわびを先に書き、元請への一報、保険会社への連絡と続けています。
  • 備考に、労働基準監督署への報告にあたらない理由を書いています。けが人が出た時は、ここに報告した日を書きます。

書き方のこつと例文

  1. 見たことと考えたことを分ける。「発生の状況」には見たこと・分かっていることだけを書き、「原因」に考えたことを書きます。
  2. 原因は「人」で終わらせない。「不注意」だけでなく、どの手順・どの設備・どの確かめ方が足りなかったかまで書きます。
  3. 再発防止策は、続けられることを書く。「気を付けます」ではなく、誰が・いつ・何をするかまで書きます。
  4. 早く出す。細かいことが分からなくても、まず第一報を出し、分かったことを書き足して出し直します。

発生の状況の例文

  • 「2階の床の開口部のまわりで資材を運んでいた。ふたの合板に足を乗せたところ、合板がずれて右足が開口に落ち、すねを打った。」
  • 「解体した木材をトラックに積んでいた。荷台の端に置いた角材が風で落ち、下に停めてあった車の屋根に当たった。」

再発防止策の例文

  • 「開口部のふたは、ずれないように裏に桟を付け、上に『開口あり』と書く。毎朝の始業前に職長が見て回る。」
  • 「荷台の端には物を置かず、積む時は1本ずつ固定する。風の強い日は、その日の朝礼で積み方を決める。」

けがで休んだ人が出た時(労働者死傷病報告)

工事現場で働く人が、仕事中のけがなどで亡くなった、または休んだ時は、その人を雇っている事業者が、労働基準監督署へ労働者死傷病報告を出します。2026年10月の条文では、電子申請で出すことになっています。

  • 休んだ日数が4日以上・亡くなった時: 遅滞なく報告します(労働安全衛生規則 第97条第1項)。
  • 休んだ日数が1〜3日の時: 1〜3月・4〜6月・7〜9月・10〜12月の区切りごとにまとめて、その区切りの最後の月の翌月の末日までに報告します(同条第2項)。
  • 休まなかったけが: 第97条の報告は「死亡し、又は休業したとき」なので、対象ではありません。ただし元請や会社の決まりで、このページのような事故報告書を出すことはあります。

報告する事項には、労働保険番号、建設工事の時は工事の名称、けがをした人の氏名・生年月日・職種と経験期間・けがの名前と部位、休業の見込みの期間、発生の日時・場所・状況とその略図・原因などがあります。下請の人がけがをした時は、元請(元方事業者)の労働保険番号と事業場の名称も書きます(同条第1項第1号・第6号)。このひな形の「かかわった人」「発生の状況」「原因」の欄と写真は、報告を作る時の下書きになります。略図の欄は無いので、写真のページの説明か別の紙に描いてください。

労災保険の給付の請求は、これとは別の手続きです。

決まった事故の報告(様式第22号)

けが人がいなくても、労働安全衛生規則 第96条に挙げた事故(事業場の中の火災や爆発、建物・煙突などの倒壊、クレーンや移動式クレーンの倒壊・ワイヤロープの切断、建設用リフトやゴンドラの事故など)が起きた時は、遅滞なく様式第22号の報告書を労働基準監督署へ出します。当てはまるかどうか迷う時は、労働基準監督署に確かめてください。

法令の根拠

  • 労働安全衛生規則 第96条(事故報告)= 第1項の各号の事故が起きた時は、遅滞なく、様式第22号の報告書を所轄の労働基準監督署長に出す。
  • 労働安全衛生規則 第97条(労働者死傷病報告)= 労働者が労働災害などで死亡し、または休業した時は、遅滞なく、電子情報処理組織を使って、第1項の各号の事項を報告する(第1項)。休業の日数が4日に満たない時は、3か月ごとの期間の最後の月の翌月末日までに報告する(第2項)。

条文は2026年10月23日に e-Gov 法令検索で確かめた内容です(労働安全衛生規則は2026年10月1日施行の版)。報告が要るかどうか、何を書くかは、事故の中身で変わります。迷う時は、現場の元請か、所轄の労働基準監督署に確かめてください。

現場の写真と状況を、スマホで報告書にする

「現場レポート」アプリは、スマホで撮った写真に区分とコメントを付けて、報告書のPDFをその場で作ります。設定の「報告書の項目名」で、表紙の題名を「事故報告書」に変えられます。写真の区分の「任意」には、「発生場所」「対策のあと」のように自分で名前を付けられます。事故の直後に現場で撮った写真を、その日のうちに元請へ送る第一報に向いています。

アプリの報告書は写真とコメントが中心で、このひな形の事故の区分・けがの程度・かかわった人の表・連絡と対応の表・確認の欄はありません。役所へ出す労働者死傷病報告を作る機能もありません。表が要るときは、このひな形の1枚目と組み合わせて使ってください。

現場レポートアプリで作った標準の報告書のPDF。写真ごとに区分の札(作業前・作業中)と場所の名前があり、写真の下にコメントが入る。上は既存の瓦(作業前)、下は足場の全景(作業中)の写真で、足場の写真には「飛散防止ネットを設置。」のコメント
現場レポートで作った標準の報告書のPDF(架空のデモデータ)。写真の区分の名前は自分で付けられます。ほかのテンプレートの見本は見本PDFのページにあります。

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よくあるご質問

Q. けが人がいない物損事故でも、事故報告書は出すものですか? A. 法律で決まった様式はありませんが、元請の現場では物損事故やヒヤリハットも報告を求められることが多いです。被害を受けた方への対応や保険の手続きでも、いつ・どこで・何が起きたかの記録が要ります。

Q. ヒヤリハットにも使えますか? A. 使えます。事故の区分を「ヒヤリハット」にし、けがの程度は「けが人なし」にします。被害が無くても、原因と再発防止策を書いておくと、次の事故を防ぐ材料になります。

Q. 下請の作業員がけがをした時、報告書はだれが出しますか? A. 労働基準監督署への労働者死傷病報告は、けがをした人を雇っている事業者が出します。その時は元請(元方事業者)の労働保険番号と事業場の名称も書きます。元請へは、元請の決めた手順で、このような事故報告書を出します。

Q. 事故報告書はいつまでに出せばいいですか? A. 元請への報告は、元請の決まりに従います。決まりが無くても、その日のうちに第一報を出すのが基本です。労働基準監督署への労働者死傷病報告は、休業4日以上・死亡なら遅滞なく、休業1〜3日なら3か月ごとにまとめて出します。

Q. テンプレートの利用に条件はありますか? A. ありません。商用・非商用を問わず、自由に書き換えて使ってください。表題を「事故発生報告書」「災害報告書」などに変えてもかまいません。クレジット表記も不要です。

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