工事完了報告書のテンプレート(写真付き・無料)
このページの要点
- 工事完了報告書は、工事が終わったことを、施工した側から発注者(下請なら元請)へ知らせる書類です。民間の工事では法律で決まった様式はなく、発注者の指定があればそれに合わせます。
- 建設業の許可を持つ業者は、工事ごとに「完成を確かめる検査が終わった日」と「引き渡した日」を帳簿に書き、引渡しから5年(発注者から直接受けた住宅の新築は10年)保存します(建設業法 第40条の3・施行規則 第26条・第28条)。
- 1枚目に工事の内容と発注者の確認欄、2枚目から写真2枚ずつのひな形を、エクセルとPDFで無料で配っています。記入例は外壁のひび割れ補修と塗り替えです。
工事完了報告書(写真付き)のひな形です。エクセル(xlsx)とPDFを用意しました。会員登録もメールアドレスの入力もいりません。
A4縦で3枚の組です。1枚目に宛先(発注者)・施工者・工事名・工事場所・契約日・工期・着工日・完了日・完了の検査日・引渡し日・工事の内容(5行)・主な材料・特記事項と、発注者が「完了を確認しました」と署名する欄を並べました。2枚目と3枚目は、写真1枚ごとに区分(施工前・施工中・完了)・撮影日・部位・説明を書く枠が2つずつです。エクセル版の記入例のシートには写真も貼ってあります。
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工事完了報告書とは(作業報告書・工事報告書との違い)
工事完了報告書は、工事がすべて終わった時点で1回出す書類です。何をして、いつ終わり、どんな状態で引き渡すのかを、写真とあわせて発注者に示します。発注者の署名をもらっておけば、「この内容で終わったことを、この日に確かめてもらった」という記録にもなります。
| 書類 | 出すとき | 中身の中心 |
|---|---|---|
| 工事完了報告書(このページ) | 工事がすべて終わったとき | 完了日・引渡し日・工事の内容・完了の写真・発注者の確認 |
| 工事報告書・施工報告書 | 工事の区切りごと(日ごと・週ごと・工程ごと) | その期間にしたことと進み具合 |
| 作業報告書 | 作業のたび(点検・清掃・修理など) | 作業の内容と結果・気づいたこと |
呼び方は会社や発注者でまちまちで、「竣工報告書」「完成報告書」と呼ぶこともあります。提出先に呼び方の指定があれば、表題をその名前に書き換えて使ってください。日々の作業ごとの報告には、作業報告書のテンプレートが向いています。
欄ごとの書き方
| 欄 | 書くこと |
|---|---|
| 発注者(宛先) | 工事を頼んだ人・会社。下請なら元請の会社名 |
| 報告日・施工者・担当者 | 報告書を出す日と、施工した会社(屋号)・所在地・担当者・電話 |
| 工事名 | 見積書・契約書と同じ名前(「◯◯様邸 外壁塗装工事」など) |
| 工事場所 | 現場の住所。マンションなら部屋番号まで |
| 契約日・工期(契約) | 契約書に書いた日付と、約束した工事の期間 |
| 着工日・完了日 | 実際に始めた日と、工事を終えた日 |
| 完了の検査日 | 終わった工事を確かめた日。社内の検査か、発注者の立会いかをかっこ書きに |
| 引渡し日 | 工事の目的物(直した家・設備など)を発注者に渡した日 |
| 工事の内容 | したことを工程の順に箇条で。数量(か所・平米・本数)があれば書き添える |
| 主な材料 | 使った塗料・部材の種類や色。商品名や品番は、保証やあとの補修で必要なら書く |
| 特記事項 | 保証の期間、お手入れの注意、やり残し(残工事)、追加・変更した工事 |
| 完了の確認 | 発注者が中身を見て、確認日と氏名を書く(署名か押印) |
- 完了日・完了の検査日・引渡し日は分けて書きます。同じ日になることもありますが、後で「いつ終わったか」「いつ渡したか」を聞かれたときに答えられます。建設業の許可を持つ業者は、検査の日と引渡しの日を帳簿にも書きます(下の「建設業者の帳簿」)。
- 工期より遅れて終わったときは、特記事項に理由(雨天・追加工事など)を1行書いておくと、あとで話がこじれにくくなります。
- 追加や変更をした工事は、工事の内容の行に「(追加)」と書くか、特記事項にまとめます。金額の話は請求書や変更の合意書で行い、報告書には「何をしたか」を書きます。
記入例の読み方(外壁のひび割れ補修と塗り替え)
記入例は、9月28日に着工し、10月8日に工事を終え、10月9日に社内で検査をして、10月10日に引き渡した外壁の工事です。
- 工事の内容は、足場の設置から片付けまでを5行に分けて、工程の順に書いています。ひび割れの補修は「東面・北面の計6か所」と、場所と数を書きました。
- 完了の検査日には「(施工者の社内検査)」と添えています。発注者に立ち会ってもらったときは「(発注者の立会い)」と書きます。
- 特記事項には、保証の期間(保証書を添付)と、塗膜が固まるまでの注意を書いています。
- 写真は、施工前のひび割れ・足場・上塗り・完了後の全景の4枚です。説明の欄には、写真を見ただけでは分からないこと(ひび割れの幅・確かめたこと)を書いています。
写真の選び方
- 施工前と完了は、同じ場所から同じ向きで撮ります。並べたときに、どこがどう変わったかがひと目で分かります。完了の写真を撮るときに、施工前の写真をスマホで見返しながら立つ位置を合わせると、ずれにくくなります。
- 施工中は「終わると見えなくなる所」を残します。下地の補修・下塗り・防水の層・配管など、完成後には隠れる部分の写真は、手を抜いていない証拠になります。
- 全景と近景を組にします。全景で「どこか」、近景で「どうなったか」を見せます。
- 枚数は、1枚目の工事の内容の行ごとに1〜2枚が目安です。多すぎるときは、工程ごとに代表の1枚に絞り、残りは写真台帳にまとめて添えます(工事写真台帳をスマホで作る)。
- 公共工事は、発注者が決めた写真の撮り方・整理のしかた(工事写真の基準)がまず優先です。このひな形は民間工事向けです。
下請のときは、完成の通知から20日以内に元請の検査
下請で工事をした場合、工事完了報告書は元請への完成の通知にあたります。建設業法は、元請負人に次のことを求めています(第24条の4)。
- 下請負人から工事が完成した旨の通知を受けたときは、通知を受けた日から20日以内で、できる限り短い期間内に、完成を確かめる検査を終えなければならない(第1項)。
- 検査で完成を確かめた後、下請負人が申し出たときは、直ちに目的物の引渡しを受けなければならない(第2項。下請契約で、工事完成の時期から20日を過ぎた日より前の一定の日に引き渡す特約がある場合を除く)。
ここでいう元請負人は、下請契約の注文者で、建設業の許可を持つ業者のことです(第2条第5項)。下請の側は、報告日(通知した日)を必ず書き、控えを残しておきましょう。
建設業者の帳簿と、保存の期間
建設業の許可を持つ業者(建設業者)は、営業所ごとに帳簿を備えます(第40条の3)。帳簿に書く事項には、請け負った工事ごとの完成を確かめる検査が終わった年月日と、目的物を引き渡した年月日が入っています(施行規則 第26条第1項第2号ハ。下請に出した工事は、検査を終えた年月日と引渡しを受けた年月日=同項第4号ハ)。
| 保存するもの | 期間 | 根拠 |
|---|---|---|
| 帳簿(添付の書類を含む) | 引渡しから5年(発注者から直接受けた住宅の新築工事は10年) | 施行規則 第28条第1項 |
| 完成図・発注者との打合せ記録など(元請の場合) | 引渡しから10年 | 施行規則 第26条第5項・第28条第2項 |
工事完了報告書そのものは帳簿の決まった様式ではありませんが、完了の検査日と引渡し日を書いた控えを工事ごとに残しておくと、帳簿をつけるときの元になります。建設業の許可を持たない一人親方も、発注者とのやり取りの記録として、同じ期間を目安に残しておくと安心です。
法令の根拠
- 建設業法 第24条の4(検査及び引渡し) — 完成の通知から20日以内の検査と、確認後の引渡し
- 建設業法 第40条の3(帳簿の備付け等) — 営業所ごとの帳簿と、営業に関する図書の保存
- 建設業法 第2条(定義) — 建設業者・発注者・元請負人・下請負人の意味
- 建設業法施行規則 第26条(帳簿の記載事項等) — 完成の検査と引渡しの年月日・保存する図書(完成図など)
- 建設業法施行規則 第28条(帳簿及び図書の保存期間) — 帳簿は引渡しから5年(住宅の新築は10年)・図書は10年
条文は 2026年10月6日に e-Gov 法令検索で確かめた内容です。改正されることがあるので、最新の条文もあわせてご確認ください。
現場で撮って、そのまま完了報告書に
「現場レポート」アプリは、スマホで撮った写真に工程(施工前・施工中・施工後)と部位・コメントを付けると、表紙つきの報告書PDFをその場で作ります。表紙の題名は設定で「工事完了報告書」に書き換えられ、用途で「工事」を選ぶと、項目名が工事名・発注者・施工日・施工場所・施工前/施工後に一度に変わります(どちらも無料版で使えます)。施工前と完了を左右に並べる「Before/After」のテンプレートもあります。
本体は無料で、案件3件まで試せます(PDFに透かしが入ります)。Pro版は一度きりの買い切りです。
よくあるご質問
Q. 工事完了報告書は、出さなければいけない書類ですか? A. 民間の工事では、法律で提出が決まった書類ではありません。契約書や発注者の決まりで求められていれば出します。決まりがなくても、写真つきで出しておくと、発注者にとっては工事の中身が分かる記録になり、施工した側にとっては「この状態で引き渡した」という控えになります。
Q. 発注者の署名はもらったほうがいいですか? A. もらえるなら、もらっておくのがおすすめです。完了を確かめた日と名前が残るので、引渡しの後に「ここが直っていない」と言われたときに、引渡しの時点の状態と比べられます。対面で会えないときは、PDFをメールで送り、確認の返信をもらって控えにする方法もあります。
Q. 完了日・完了の検査日・引渡し日は、何が違いますか? A. 完了日は工事を終えた日、完了の検査日は終わった工事を確かめた日、引渡し日は目的物を発注者に渡した日です。小さな工事では3つとも同じ日のことがありますが、別々に書いておくと、帳簿(建設業の許可を持つ業者)や保証の起算日を確かめるときに迷いません。
Q. 作業報告書のテンプレートと、どちらを使えばいいですか? A. 工事がすべて終わって引き渡すときは、このページの工事完了報告書を、点検・清掃・修理など1回ごとの作業の報告には作業報告書のテンプレートを使ってください。工期の長い工事で途中の報告も出すときは、途中は作業報告書、最後に工事完了報告書、と分けるのが分かりやすいです。
Q. 写真の枠が足りません。 A. エクセル版は、写真の枠(10行ぶん)を行ごとコピーして下に貼り付ければ増やせます。写真は「挿入」→「画像」で入れ、枠の大きさに合わせて縮めてください。写真が多い工事は、スマホのアプリで写真を撮りながらまとめると、貼る手間がかかりません。
Q. テンプレートの利用に条件はありますか? A. ありません。商用・非商用を問わず、自由に書き換えて使ってください。クレジット表記も不要です。
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