足場の点検表・点検記録のテンプレート(エクセル・無料)

このページの要点

  • 足場の点検は、毎日の作業を始める前(手すりなどの墜落防止設備の取り外し・脱落)と、組立て・変更・悪天候・地震の後(9つの事項)の2種類があります(労働安全衛生規則 第567条)。
  • 組立てなどの後の点検は、結果・点検者の名前・補修の内容を記録して、その足場を使う作業が終わるまで保存します(同条第3項)。元請(注文者)にも同じ点検と記録の決まりがあります(第655条)。
  • 9つの点検事項を号の順に並べた点検表と、作業開始前の点検を1か月分書く表の2枚組のひな形を、無料で配っています。会員登録はいりません。

足場の点検表のひな形です。エクセル(xlsx)とPDFを用意しました。エクセル版は「足場の点検表」「作業開始前の点検」の2枚と、それぞれの記入例の、合わせて4シートです。PDF版はA4縦2枚です。

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組立ての後など、点検のたびに1枚目を1枚使います。2枚目は足場を使っている間、毎日1行ずつ書きます。

足場点検表の記入例。工事名は◯◯様邸 外壁改修工事、くさび緊結式足場(高さ8.4m・長さ32m・2段)、点検した時期は組立ての後、点検日時は2026年10月1日 7:40、点検者は足場の組立て等作業主任者、立会いは元請の現場監督。9つの点検事項が号の順に並び、五の幅木だけが要補修で「南面2段目の幅木が1か所外れていた」「幅木を取り付け直し(10/1 8:10)」、九は対象外、ほかは良。下に補修等の措置の内容・補修後の確認・記録の保存の欄
記入例の1枚目(住宅の外壁工事のくさび緊結式足場・組立ての後の点検・架空)。名前・地名は ◯◯ にしています。
作業開始前の点検(足場)の記入例。2026年10月の1日から31日までの行があり、作業した日に点検者・取り外しと脱落の有無・異常の内容と補修・作業の開始が入っている。14日だけ「有」で、東面1段目の手すりが1本外れていたので取り付け直してから作業を開始した
記入例の2枚目(毎日の作業開始前の点検・1か月分)。足場を使わない日は空欄のままです。

足場の点検はいつ・誰が・何を(法令の決まり)

労働安全衛生規則 第567条は、足場で作業をさせる事業者に、点検者を指名して点検させることを決めています。点検は2種類あります。

点検いつ何を記録
作業開始前の点検(第1項)足場で作業をする日は毎日、その日の作業を始める前作業をする所の足場用墜落防止設備(手すり・中さん・交さ筋かいなど)が外されたり落ちたりしていないか条文に記録の決まりはない(このひな形の2枚目で残す)
組立て等の後の点検(第2項)足場の組立て・一部解体・変更の後と、強風・大雨・大雪などの悪天候や中震以上の地震の後、作業を始める前下の9つの事項点検の結果・点検者の氏名・補修などの措置の内容を記録し、その足場を使う作業が終わるまで保存(第3項)

どちらも、異常を認めたときは直ちに補修してから作業を始めます。つり足場は、第1項の代わりに毎日、9つの事項のうち一〜五・七・九を点検します(第568条)。

元請など、請負人の作業員に足場を使わせる注文者にも、同じ場面(組立て・変更・悪天候・地震の後)で同じ事項を点検し、危険のおそれがあればすぐに修理して、結果・点検者の氏名・修理の内容を記録して仕事が終わるまで保存する決まりがあります(第655条)。注文者は、作業床の最大積載荷重を決めて、足場の見やすい所に表示することも求められています。ひな形の「最大積載荷重」の欄は、この表示があるかを確かめる欄です。

第567条第2項の9つの点検事項

号点検する事項見るところ
一床材の損傷、取付け及び掛渡しの状態作業床の板に割れ・たわみが無いか。すき間なく掛かり、固定されているか
二建地、布、腕木等の緊結部、接続部及び取付部の緩みの状態クランプ・くさび・ジョイントに緩みが無いか
三緊結材及び緊結金具の損傷及び腐食の状態クランプ・緊結金具に曲がり・ひび・さびが無いか
四足場用墜落防止設備の取り外し及び脱落の有無手すり・中さん・交さ筋かいが外されたり落ちたりしていないか
五幅木等の取付状態及び取り外しの有無幅木・メッシュシートが付いているか。外されていないか
六脚部の沈下及び滑動の状態ジャッキベース・敷板が沈んだり滑ったりしていないか
七筋かい、控え、壁つなぎ等の補強材の取付状態及び取り外しの有無壁つなぎ・控えが決めた間隔で付いているか。外されていないか
八建地、布及び腕木の損傷の有無支柱・手すり材・腕木に曲がり・へこみ・ひびが無いか
九突りょうとつり索との取付部の状態及びつり装置の歯止めの機能つり足場だけ。つり索の取付けと、巻上げ装置の歯止め

「点検する事項」は条文の文言のままで、「見るところ」の欄は、それを現場のことばに言い換えた目安です。足場の種類や組み方で見る所は変わるので、組立て図や足場の施工計画に合わせて書き足してください。

欄ごとの書き方(1枚目・点検表)

欄書くこと
工事名・現場契約書や工程表と同じ工事名・住所
足場の種類・規模枠組足場・くさび緊結式足場・単管足場・つり足場など(エクセル版は一覧から選べる)。高さ・長さ・段数
点検した時期組立ての後・一部解体や変更の後・悪天候の後・地震の後のどれか。悪天候のときは「10/18 の強風の後」のように、何の後かを書く
点検日時・点検者・立会い点検した日時、指名された点検者の名前、元請の担当者などが立ち会ったらその名前
最大積載荷重作業床の最大積載荷重と、足場に表示があるか
結果良・要補修・対象外から選ぶ。つり足場でなければ九は対象外
異常の内容どこの・何が・どうなっていたか(「南面2段目の幅木が1か所外れていた」のように場所を書く)
補修の内容と補修した日何をして直したかと、直した日時
補修等の措置の内容要補修があった時に、直して再点検した結果と、作業を始めた時刻
補修後の確認直した後に確かめた日時と人

要補修が1つでもあれば、直して再点検してから作業を始めます。点検表は「異常なしの証明」ではなく、「異常を見つけて直した記録」なので、要補修があった点検表ほど大事に残します。

記録の残し方

  • 保存する期間は「その足場を使う作業が終わるまで」です(第567条第3項・第655条第2項)。足場を解体して仕事が終われば、条文上の保存の義務は終わります。ただ、工事の記録として元請に提出を求められることが多いので、工事写真や作業日報と一緒に、工事が終わってからもしばらく残しておくのが安全です。
  • 異常があった所と直した後は、写真を撮っておくと、補修の内容が一目で分かります。条文に写真の決まりはありませんが、点検表に写真の番号を書いておけば、台帳とつながります。
  • 毎日の作業開始前の点検は、条文に記録の決まりはありませんが、2枚目の表に1行ずつ書いておくと、「毎日点検していた」ことを後から示せます。異常があった日は、何が外れていて、いつ直して、何時に作業を始めたかまで書きます。

現場レポートのアプリでできること

「現場レポート」アプリは、スマホで撮った写真にコメントを付けて、報告書や写真台帳のPDFをその場で作るアプリです。用途を「点検」にすると、表題が点検報告書になり、点検日・点検場所・点検者・点検前/点検中/点検後の区分に変わります。異常があった所の写真と、直した後の写真を並べたBefore/Afterの報告書も作れます。

現場レポートアプリで作った点検記録のPDF。点検した場所ごとに写真とコメントが並び、点検日・点検場所・点検者の欄がある
現場レポートで作った点検記録のPDF(架空のデモデータ)。全体の見本は記入例のページにあります。

アプリにあるのは写真とコメントの報告書までで、第567条の9つの事項を並べた点検表、結果を選ぶ欄、毎日の作業開始前の点検の一覧はアプリにはありません。点検の記録はこのひな形で残し、異常があった所と直した後の写真はアプリで報告書にする、という分け方をおすすめします。

App Storeで見る ・ Google Playで見る

よくあるご質問

Q. 一人親方で、元請の足場を借りて作業する時は、自分でも点検しますか? A. 第567条は労働者に作業をさせる事業者、第655条は請負人の作業員に足場を使わせる注文者の決まりなので、人を使わずに一人で作業する人には、条文の義務はかかりません。ただ、同じ足場に乗る以上、手すりの取り外しや脚部の沈下は自分の身に関わります。元請の点検表を見せてもらうか、同じ事項を自分で確かめてから乗ることをおすすめします。

Q. 点検者は誰がなりますか? A. 条文は「点検者を指名して」とだけ書いていて、資格は決めていません。足場の組立て等作業主任者など、足場の構造と組立て図が分かる人を指名するのがふつうです。注文者(元請)と事業者(下請)の両方が点検する場面では、それぞれが点検者を指名します。

Q. 足場を組んだ業者の点検と、自分の点検は別ですか? A. 別です。組み立てた業者は組立て後に自分の点検をしますが、その足場で自分の作業員に作業をさせる事業者は、第567条第2項の点検を自分で(点検者を指名して)行います。組んだ業者の点検表をもらって済ませるのではなく、自分の点検表を残します。

Q. 強風は、どのくらいから「悪天候」ですか? A. 条文は「強風、大雨、大雪等の悪天候」とだけ書いていて、数字は書いていません。高さ2m以上の所の作業を悪天候のときに行わせてはならないと決めた別の条文(第522条)も同じ書き方です。何をもって悪天候とするかは、現場の安全衛生の担当者や元請の基準に合わせ、迷う時は点検しておきます。

Q. テンプレートの利用に条件はありますか? A. ありません。商用・非商用を問わず、自由に書き換えて使ってください。「見るところ」の欄を自分の足場に合わせて書き直したり、行や欄を足したりしてもかまいません。クレジット表記も不要です。

関連ページ

条文は2026年10月26日に e-Gov 法令検索で確かめた内容です(労働安全衛生規則は2026年10月1日施行の版)。