工事黒板の書き方とテンプレート(エクセル・PDF・無料)

このページの要点

  • 工事黒板は、工事写真に一緒に写して「どの工事の・どこを・いつ撮ったか」を写真の中に残すための板です。法律で決まった書き方はなく、公共の工事では発注者の決まりに合わせます。
  • 工事名・工種・種別と部位・測点と位置・設計・実測・撮影日・施工者・立会者と略図の欄を並べた黒板を、エクセルとPDFで無料で配っています(緑の板と白い板の2種)。A4横に印刷して、そのまま板に貼れます。会員登録はいりません。
  • 記入例は、住宅の基礎の配筋と、外壁のひび(補修前)の2つです。黒板を写真のどこに置けばよいかも、写真の例で載せています。

工事黒板のひな形です。エクセル(xlsx)とPDFを用意しました。エクセル版は「工事黒板(緑)」「工事黒板(白)」と、記入例2枚の4つのシートです。緑の板は黒板と同じ見た目で写真の中で目立ち、白い板はインクを節約したいときや、ホワイトボードのように使いたいときに向いています。

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印刷した紙は、厚紙やベニヤに貼るか、A4のクリアファイルに入れて使います。クリアファイルに入れると、撮るたびに変わる欄だけを水性のペンで書き直せます。

工事黒板の記入例。緑の板に、工事名・工種・種別と部位・測点と位置・設計・実測・撮影日・施工者・立会者の9行と、右側に略図の欄がある。工事名は◯◯様邸 新築工事、工種は基礎工事、種別と部位は鉄筋 ベース筋(底盤)、設計はD13 @200、実測はD13 @195〜205。略図には縦横に組んだ鉄筋と@200の寸法
記入例(住宅の基礎の配筋・架空)。名前・会社名は ◯◯ にしています。

工事黒板とは

工事写真は、あとから見た人が「何の工事の、どの部分を、いつ撮ったか」を写真だけで分かるように撮るものです。黒板を一緒に写しておくと、写真の中にその答えが残ります。写真を並べ替えても、ファイルの名前が変わっても、写真と説明が離れません。

特に、埋まって見えなくなる所(基礎の鉄筋・床下や壁の中の配管・地中の管)は、工事のあとで確かめることができません。黒板に寸法を書いて一緒に写しておくのが、その時点で図面どおりだったことを示すいちばん分かりやすい方法です。

黒板に書く項目と書き方

欄書くこと
工事名契約書や注文書と同じ工事の名前(「◯◯様邸 新築工事」「◯◯ビル 外壁改修工事」)。略さない
工種工事の大きな区分(基礎工事・型枠工事・設備工事・外壁補修・防水工事など)
種別・部位写すものの中身と場所(「鉄筋 ベース筋」「給水管 埋設」「ひび割れ(補修前)」)
測点・位置図面の通り芯・測点の番号・階と方位(「X1〜X2 通り」「No.3+5.0」「東面 2階 サッシの下」)
設計図面や仕様で決まっている寸法・材料(「D13 @200」「土かぶり 600」「Uカット シール材充てん」)
実測その場で測った値。設計と同じ単位で書く(「D13 @195〜205」「土かぶり 610」)
撮影日撮った日。毎日書き換える
施工者工事をしている会社の名前
立会者立ち会いがあった時の、立ち会った方の名前。無ければ空けておく
略図写真だけでは分かりにくい位置や寸法を、簡単な図で(鉄筋の並び・管の深さ・ひびの位置と長さ)

全部の欄を毎回うめる必要はありません。写真で伝えたいことに要る欄だけを書き、使わない欄は空けておきます。たとえば完成した外観の写真なら、工事名・工種・撮影日だけで足ります。

書き方のこつ

  1. 字は大きく、太く。写真を縮めて報告書に並べても読める大きさで書きます。細いペンより、太いチョークやマーカーが向いています。
  2. 設計と実測は同じ単位で並べる。「設計 600」と「実測 61cm」のように単位がちがうと、読む人が比べにくくなります。mm にそろえるなど、工事の中で決めておきます。
  3. 同じ書き方を続ける。工種や部位の名前は、最初に決めた言い方で通します。「ベース筋」と「底盤筋」が混ざると、あとで探しにくくなります。
  4. 補修の前と後は、同じ欄を書き換えるだけにする。「ひび割れ(補修前)」→「ひび割れ(補修後)」のように、変わる所だけを書き換えると、2枚の写真を並べた時に何が変わったかが一目で分かります。

工種ごとの記入例

工種種別・部位設計実測
基礎工事鉄筋 ベース筋D13 @200D13 @195〜205
基礎工事かぶり厚さ6065
型枠工事基礎 立ち上がり 幅150150
コンクリート工事打設(スランプ)1817.5
給排水設備給水管 埋設(土かぶり)600610
防水工事屋上 シート防水(重ね幅)100 以上110
外壁補修ひび割れ(補修前)Uカット シール材充てん幅 0.4mm・長さ 820mm

数字は書き方を示すための例です。実際の工事では、図面・仕様書・発注者の決まりに書かれた値を書いてください。

写真のどこに黒板を置くか

外壁のひびの写真の右下に、小さな工事黒板が写っている例。黒板には工事名・工種・種別と部位(ひび割れ 補修前)・測点と位置(東面 2階 サッシの下)・設計・実測(幅0.4mm・長さ820mm)・撮影日が書いてある。ひびは写真の中ほどにあり、黒板はひびにかかっていない
写真に写した例(外壁のひび・補修前・架空)。黒板は写したい物にかからない隅に置いています。
  • 写したい物にかからない隅に置く。ひびや配筋など、見せたい物を黒板で隠さないようにします。右下か左下に置くことが多いです。
  • 黒板の字が読める近さで撮る。遠くから全体を撮る時は、黒板だけを別にもう1枚撮るより、黒板を手前に置いて両方にピントが合う位置を探します。
  • 寸法を見せる時は、スケール(メジャー・リボンテープ)と一緒に。実測の欄の数字と、写真の中のスケールの目盛りが合っていることが分かるように撮ります。
  • 影と反射に気をつける。黒板に自分の影が落ちたり、クリアファイルに光が反射したりすると、字が読めなくなります。撮る前に画面で字が読めるかを確かめます。

法律で決まった様式はありません

工事黒板の書き方や大きさは、法令では決まっていません。公共の工事では、発注者が定める写真管理の基準(国土交通省の写真管理基準など)で、撮る場面・黒板に書く項目・写真の整理の仕方が決まっていることがあります。電子の黒板(電子小黒板)を使う時も含めて、発注者の指示に従ってください。民間の工事でも、元請や発注者に決まった書き方があれば、そちらに合わせます。

スマホの写真に、黒板風のスタンプを重ねる

「現場レポート」アプリは、スマホで撮った写真にコメントを付けて、作業報告書や工事写真台帳のPDFをその場で作るアプリです。写真ごとに黒板風のスタンプを付けると、PDFの写真の左下に、緑の板に工事名・工種・日付が入って出ます。メモの行も1行足せます。案件のメニューから、その案件の写真ぜんぶに一度に付けることもできます。

  • スタンプは PDF を作る時に重ねて描くだけで、元の写真ファイルは変わりません。あとから外すのも自由です。
  • 行の名前(「工事名」「工種・部位」)は、設定の「報告書の項目名」で変えられます。
  • 工事写真台帳のPDFは、1ページに写真3枚・通し番号・撮影日の欄が入ります。

アプリのスタンプに入るのは、工事名・工種・日付・メモの4つまでです。このページのひな形のような設計・実測・略図の欄はありません。寸法を写真に残したい時は、このひな形を印刷した黒板を写してください。また、国土交通省の電子納品(CALS/EC)や、電子小黒板の改ざんの確かめ(信憑性の確認)には対応していません。

現場レポートアプリで作った工事写真台帳のPDF。屋根の既存瓦と足場の写真の左下に、緑の板の黒板スタンプが重なり、工事名・工種・日付が入っている。右側にNo.・作業前と作業中の区分・撮影日・工種と部位・メモの欄が並ぶ
現場レポートで作った工事写真台帳のPDF(架空のデモデータ)。写真の左下が黒板スタンプです。

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よくあるご質問

Q. 黒板が手元に無い時はどうすればいいですか? A. このページのひな形をA4横に印刷して、厚紙かクリアファイルに入れれば、そのまま黒板の代わりになります。白い板の方は、ホワイトボード用のマーカーでも書けます(クリアファイルに入れた時)。

Q. 全部の欄を書かないといけませんか? A. いいえ。写真で伝えたいことに要る欄だけで足ります。工事名・工種・撮影日の3つはどの写真にも書き、寸法を見せる写真だけ設計・実測・略図を書く、という使い分けが多いです。発注者に決まりがあれば、それに従ってください。

Q. 略図は何を書けばいいですか? A. 写真だけでは分かりにくい「位置」と「寸法」です。鉄筋なら並びと間隔、埋める管なら地面からの深さ、ひびなら場所と長さを、線と数字で簡単に書きます。上手な図である必要はありません。

Q. 撮影日は黒板に書かないといけませんか? A. 書いておくと、写真のファイルの日付が変わっても撮った日が残ります。スマホの写真には撮影日時が記録されていますが、写真を加工したり送り直したりすると消えることがあるので、黒板にも書いておくと確かです。

Q. 書き間違えた時は? A. 黒板を書き直してから撮り直します。写真を撮ったあとで写真の上に字を書き足すと、あとから書き加えたように見えてしまうので避けます。

Q. テンプレートの利用に条件はありますか? A. ありません。商用・非商用を問わず、自由に書き換えて使ってください。欄を減らす・足す、会社の名前を入れておく、大きさを変えるのもかまいません。クレジット表記も不要です。

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