出来高の請求書のテンプレート(エクセル・PDF・無料)

このページの要点

  • 出来高の請求書は、請負の工事を終わるまで待たずに、進んだ割合で分けて請求するための請求書です。今回の請求額は「契約金額 × 今回までの割合 − 前回までに請求した額」で出します。
  • 契約の工種ごとに、契約金額・前回まで/今回までの割合を書くと、今回の請求額・合計・契約の残り・消費税が計算されるエクセルと、手書き用のPDFを無料で配っています。会員登録はいりません。
  • 記入例は、大工の一人親方が工務店に新築工事の3回目の出来高を請求する形です。契約に無い追加の工事を、出来高と分けて書く方法も載せています。

出来高で請求するときの請求書のひな形です。エクセル(xlsx)とPDFを用意しました。エクセル版は「出来高請求書」と「記入例」の2枚のシートで、割合を%の数字(0〜100)で入れると、金額の欄はすべて数式で埋まります。

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出来高の請求書の記入例。宛名・請求日・請求書番号・対象期間・ご請求金額・お支払期限・発行者・登録番号、工事名・工事場所・注文書・工期の下に、工種ごとの契約金額・前回まで・今回までの割合・今回までの出来高・前回までの請求・今回の請求額の表、合計と契約の残り、追加と変更の工事の表、振込先・備考と、今回の請求額・消費税・ご請求金額の集計が並ぶA4縦1枚
記入例(架空)。大工の一人親方が、25日締めの工務店へ新築工事の3回目の出来高を請求する形です。名前・会社名・現場名・口座・登録番号は ◯◯ にしています。

出来高の請求とは(常用・請負の一式との違い)

建設の仕事の請求は、おおきく3つの数え方に分かれます。このページは出来高の請求書です。

数え方金額の出し方向いている仕事
常用(人工代)入った日数を人工で数え、単価を掛ける日ごとに人を出す仕事 → 常用の請求書
請負(一式)決めた仕事を、決めた金額で仕上げて請求する数日で終わる小さな工事
出来高請負の工事を、進んだ割合で何回かに分けて請求する工期が何か月かある工事

出来高で請求するかどうか、何で割合を測るか(工種ごとの進み具合・決めた段階など)、締め日と支払日は、注文書や契約で決めておくものです。取引先に決まった様式があれば、そちらに合わせてください。

今回の請求額の計算のしかた

工種ごとに、次の3つを計算します(エクセル版は数式で入ります)。

  • 今回までの出来高 = 契約金額 × 今回までの割合
  • 前回までの請求 = 契約金額 × 前回までの割合
  • 今回の請求額 = 今回までの出来高 − 前回までの請求

記入例の「床・壁の下地」は、契約金額 600,000円・前回まで 40%・今回まで 90% なので、今回までの出来高は 540,000円、前回までの請求は 240,000円、今回の請求額は 300,000円 です。終わっている工種(前回も今回も 100%)は、今回の請求額が 0円 になります。

5つの工種を足すと、契約金額 2,400,000円 のうち今回までの出来高は 1,950,000円(全体の 81.3%)、今回の請求額は 610,000円、契約の残りは 450,000円 です。最後の回は、すべての工種が 100% になり、契約の残りが 0円 になります。

欄ごとの書き方

欄書くこと
宛名請求する相手。会社なら「御中」、個人なら「様」
請求日・請求書番号請求書を出す日と、自分で決めた通し番号
対象期間取引先の締め日で区切った1回分(25日締めなら前の月の26日〜その月の25日)
ご請求金額集計のいちばん下と同じ金額(エクセル版は自動で入る)
発行者・住所・電話・登録番号自分の屋号と名前・連絡先と、インボイスの登録番号(登録していなければ空ける)
工事名・工事場所注文書と同じ工事名と、現場の所在地
注文書・契約注文書の番号と日付。どの契約の出来高かが分かるように
工期契約の工期
出来高の明細契約の工種ごとに、契約金額(税抜)と前回まで・今回までの割合
追加・変更の工事契約に無い、あとから頼まれた工事。内容と、いつ誰に頼まれたかと、金額
振込先・備考口座と、割合をいつ誰と確かめたか

記入例の読み方

  • 割合は、締め日の前日に現場監督と現場で確かめた数字です。備考にそのことを1行書いておくと、先方が自分の記録と比べやすくなります。
  • 前回まで 100% の工種も、表から消さずに残しています。契約の全体のうち、どこまで済んだかが1枚で分かるからです。
  • 2階の納戸の棚は、契約の工種に無い追加の工事なので、出来高の表には入れず、「追加・変更の工事」に分けています。指示を受けた日と見積の番号を書いています。
  • 消費税は、今回の出来高の請求額と追加の工事を足した 655,000円 に1回だけ10%を掛けて 65,500円、ご請求金額は 720,500円 です。

法令の根拠

  • 建設業法 第24条の3(下請代金の支払)= 元請負人は、出来形部分に対する支払か、工事が終わったあとの支払を受けたときは、下請負人に、その出来形に見合う下請代金を、支払を受けた日から1か月以内で、できるだけ短い期間のうちに支払う(第1項)。下請代金のうち労務費に当たる部分は、現金で支払うよう配慮する(第2項)。
  • 消費税法 第57条の4(適格請求書発行事業者の義務)= 登録番号を持つ事業者が取引先から求められて交付する請求書に書く6つの事項(第1項)。このひな形の欄との対応は、常用の請求書のページの表と同じです(出来高の明細が「取引の内容」に当たります)。

出来高の請求書そのものには、法律で決まった様式はありません。出来高の割合の決め方や支払の時期は、注文書や契約の取り決めによります。

条文は2026年10月20日に e-Gov 法令検索で確かめた内容です(建設業法は2025年12月12日施行の版、消費税法は2026年10月1日施行の版)。税の扱いや契約の中身で変わることがあります。個別の判断は顧問の税理士か、取引先との契約に照らして確かめてください。

出面帳アプリでは、請負の「一式」の行として

「出面帳&請求書」は、毎日の出面(日付・取引先・現場・常用か請負か・人工・単価)をスマホでつけておくと、月末に取引先を選ぶだけで、締め日で区切った請求書のPDFができるアプリです。請負の仕事は「一式」の金額で1行に入り、常用の行と同じ請求書にまとめられます。

アプリには、契約金額や前回まで・今回までの割合から今回の請求額を計算する欄はありません。出来高で請求する月は、このひな形で今回の請求額を出し、アプリには請負の「一式」の金額として入れると、常用の分と1枚の請求書にまとめられます。工種ごとの割合の表が要る取引先には、このひな形を添えてください。

出面帳&請求書アプリで作った請求書のPDF。宛名・発行者・登録番号・御請求金額のあと、日付ごとの現場・区分・人工・単価・金額の明細、立替金・経費の表、小計・消費税・合計、振込先と備考が並ぶA4縦1枚
出面帳&請求書で作った請求書のPDF(架空のデモデータ)。請負の行は、人工の欄が「一式」になります。ほかの見本は見本PDFのページにあります。

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よくあるご質問

Q. 出来高の割合は、どうやって決めればいいですか? A. 注文書や契約で決めた方法に合わせます。決まりが無いときは、工種ごとに「どこまで済んだか」を現場で元請や現場監督と一緒に確かめ、その数字を書くと、あとで食い違いが起きにくくなります。確かめた日と相手を備考に書いておくと安心です。

Q. 割合で計算すると、1円未満の端数が出ます。 A. このひな形は、今回までの出来高と前回までの請求を、どちらも1円未満を切り捨ててから差し引きます。毎回同じ計算にしておくと、最後の回に 100% になったとき、請求の合計が契約金額とぴったり合います。

Q. 追加の工事は、出来高の表に足してもいいですか? A. 契約に無い工事は、「追加・変更の工事」の表に分けて書くのがおすすめです。出来高の表は契約の中身だけにしておくと、契約の残りがいくらかが、いつでも正しく出ます。追加の工事は、頼まれた日と相手、見積の番号を書いておきます。

Q. 取引先が保留金や協力会費を差し引く決まりです。 A. 差し引きの決まりは取引先によって違います。請求書をどの額で出すかは、取引先の決まりに合わせてください。差し引かれる額を書く決まりなら、集計の下に1行足して書けます(エクセル版は行を挿入できます)。

Q. インボイスの登録をしていません(免税事業者です)。 A. 使えます。登録番号の欄を空けたまま、ふつうの請求書として出してください。登録番号の無い請求書はインボイス(適格請求書)にはなりません。取引先から聞かれたら、顧問の税理士か税務署に相談してください。

Q. テンプレートの利用に条件はありますか? A. ありません。商用・非商用を問わず、自由に書き換えて使ってください。工種の行を増やす・欄の名前を変える・社名のロゴを入れるのも自由です。クレジット表記も不要です。

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