注文請書のテンプレート(無料・エクセル/PDF)

このページの要点

  • 注文請書は、注文を受けた側(請負う側)が「この内容で請けます」と書いて注文者に渡す書面です。工事内容・請負代金・工事の時期のほか、建設業法 第19条 第1項の約定(4号〜16号)を書きます。
  • 注文請書は、印紙税法では請負に関する契約書(第2号文書)に当たります。契約金額が1万円以上なら収入印紙が要り、消費税額を分けて書けば税抜の額で判定します。
  • 国税局の文書回答では、注文請書をPDFにして電子メールで送るだけで、紙を渡さないなら課税文書の作成に当たらないとしています(紙も渡すと印紙がいります)。
  • 金額が数式で出て、印紙の目安も出るエクセルのひな形と、手書き用のPDFを無料で配っています。会員登録はいりません。

建設工事を請けたときの注文請書のひな形です。エクセル(xlsx)とPDFを用意しました。エクセル版は「注文請書」「記入例」「印紙の金額」の3シートで、請負代金(税抜)を入れると消費税と税込が出ます。PDF版はA4縦1枚で、印刷して手書きで使えます。

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注文請書の記入例。発行日2026/11/5、宛名は◯◯工務店 御中。請負代金は税込418,000円(税抜380,000円・消費税38,000円)。工事場所は◯◯様邸、工事内容は内装ボード張り 一式、着手2026/11/12・完成2026/11/30。約定は4号から16号までの13行。下に注文者の欄、収入印紙の枠、請負者の欄(◯◯内装・氏名・住所・電話・登録番号T0000000000000)
記入例(内装の一人親方が、工務店から内装ボード張りを請けたとき・架空)。宛名・屋号・住所は ◯◯ にしています。金額と日付は書き方を示すための仮のものです。約定の文はひな形で、この契約に合うかは自分で確かめて直します。

注文書・請書・契約書のちがい

書面出す人何を示すか
注文書頼む側(注文者)この内容で仕事を頼みます
注文請書(このページ)請ける側(請負者)この内容で仕事を請けます
請負契約書双方1通の書面で、双方が署名か押印をする

建設業法 第19条 第1項は、建設工事の請負契約の当事者に、契約の締結に際して次の事項を書面に書き、署名か記名押印をして、相互に交付することを求めています(建設業法 第19条)。条文は書面の名前を決めていません。事項が書いてあることと、署名か記名押印、相互の交付が条文の求めるところです。注文書と請書を取り交わす形にするときも、請書のほうに事項を書いておくと、あとで食い違いを調べやすくなります。

欄ごとの書き方

欄書くこと
発行日請書を作った日
宛名注文者の正式な名前。会社なら「◯◯工務店 御中」、個人なら「◯◯ ◯◯ 様」
工事場所(現場)現場の名前か所在地。同じ客先で現場が複数あるときは、現場が分かる名前まで書く
1号 工事内容何の工事か。「内装ボード張り 一式」のほか、範囲(階・部屋)や仕様の取り決めがあれば添える
3号 着手・完成の時期着手の日と完成の日。決まっていなければ、決まった時点で書面で取り決める旨を約定の「その他」に書く
2号 請負代金税抜の額と、消費税額を分けて書く。内税の取り決めなら「うち消費税」と書く
約定(4号〜16号)次の表。書かないときは「定めなし」と書いておくと、決めていないのか書き忘れたのかが分かる
当事者注文者と請負者の名前。請負者の欄は自分の屋号・氏名・住所・電話。登録番号はインボイスの登録がある人だけ
署名か記名押印条文は「署名又は記名押印」。印鑑の種類は決まっていません

約定の13項目(建設業法 第19条 第1項の4号〜16号)

条文の項目を、書く内容が分かる言い方に直しました。ひな形の文は、記入例に入れた文と同じです。

号定める事項書き方の例
4工事を施工しない日・時間帯定めがあるときだけ。なければ「定めなし」
5前払い・出来高払い払う時期と方法。なければ「なし」
6設計変更・延期・中止のとき工期・代金の変更と損害の負担を、どう決めるか
7天災などの不可抗力のとき工期の変更と損害の負担
8物価の変動のとき資材・労務の価格が大きく変わったときの工事内容・代金の変更
9第三者に損害を与えたとき賠償金をだれが負担するか
10注文者が出す資材・貸す機械あるときは内容と方法。なければ「なし」
11検査と引渡し検査の時期と方法、引渡しの時期
12完成後の代金の支払い支払いの時期と方法(締め日と支払日)
13契約不適合の責任定めるときは、その内容。補修する期間など
14遅延・違約のときの損害金遅延利息や違約金の割合
15紛争の解決まず協議する、建設工事紛争審査会によるなど
16その他(国土交通省令で定める事項)上に入らない取り決め

1号〜3号(工事内容・請負代金・工事の時期)は、表紙の欄に書きます。16号の「国土交通省令で定める事項」は、ひな形では「その他」の自由記入にしています。

収入印紙がいる金額(法令の根拠)

注文請書は、印紙税法の課税物件表(別表第一)の第2号「請負に関する契約書」に当たります。 契約書とは、契約の成立を証する文書のことで、請書のように契約の当事者の一方だけが作る文書も含むと通則に書いてあります(印紙税法 別表第一 通則5)。国税庁も、工事注文請書を第2号文書の例にあげています(タックスアンサー No.7140)。

契約金額の区分ごとの印紙税は、次のとおりです。建設工事の請負に関する契約書は、平成26年4月1日から令和9年3月31日までに作成されるもので契約金額が100万円を超えるものに限り、税額が軽減されています(No.7108)。

契約金額本則軽減後
1万円未満非課税非課税
1万円以上 100万円以下200円200円
100万円を超え 200万円以下400円200円
200万円を超え 300万円以下1,000円500円
300万円を超え 500万円以下2,000円1,000円
500万円を超え 1,000万円以下10,000円5,000円
1,000万円を超え 5,000万円以下20,000円10,000円
5,000万円を超え 1億円以下60,000円30,000円

1億円を超える額の区分は、エクセル版の「印紙の金額」シートに載せています。契約金額の記載のないものは200円です。

  • 消費税額を分けて書いたとき: 消費税の課税事業者が、請書に消費税額を分けて書いた(または税込と税抜の両方を書いた)ときは、消費税額は契約金額に含めません。「請負金額1,100万円(税込)」とだけ書くと、税込の額で判定されます。免税事業者は、消費税額として分けて書いても、その額は契約金額に含めます(国税庁 No.7124。この扱いは第1号・第2号・第17号の文書に限られます)。記入例は税抜 380,000円・消費税 38,000円と分けて書いたので、契約金額は380,000円で、紙で渡すなら印紙は200円です。
  • 1万円未満は非課税: 契約金額が1万円未満のものは非課税です(No.7108・No.7140)。ただし、第2号文書と第3号から第17号の文書の両方に当たる文書で第2号文書に決まるものは、契約金額が1万円未満でも非課税になりません(No.7140)。請書のほかの事項を1枚に書き足すときは、税務署に確かめてください。
  • 貼り方と消印: 印紙は文書を作る時までに貼り、印鑑か署名で消印します。貼り忘れの過怠税とあわせて、領収書のテンプレートの「収入印紙がいる金額」にまとめています。

エクセル版の「注文請書」シートの右側(印刷されない欄)に、「消費税の課税事業者か」を選ぶと契約金額と印紙税額(本則と軽減後)が出る目安を付けています。

PDFを電子メールで送るだけなら、印紙はいらない

印紙税は、課税文書を「作成」したときにかかります。 福岡国税局の文書回答(平成20年10月24日)は、請負契約の注文請書を、現物の交付に代えてPDFファイルなどにして電子メールで送信しただけなら、課税文書を作成したことにはならない、という照会に「貴見のとおりで差し支えありません」と答えています(回答・照会の別紙)。照会の別紙には、照会者の考えとして、電子メールで送ったあとに現物の注文請書を持参するなどして渡した場合は、課税文書の作成に当たり、現物に印紙税がかかると書かれています。回答は、この考えも含めて「貴見のとおり」としています。

この回答には次の注意があります。

  • 回答は、照会に書かれた事実関係を前提にしたものです。事実関係が違うときは、違う課税関係になることがあります。
  • 福岡国税局の見解で、照会した会社の申告を拘束するものではありません。
  • 平成20年の回答です。紙とPDFの両方を渡すなら、紙に印紙がいります。 自分の取引でどうなるかは、税務署か税理士に確かめてください。

注文書・発注書のテンプレートを探している方へ

  • 注文書は、頼む側が出す書面です。建設工事の請負契約なら、この注文書にも建設業法 第19条の事項を書きます。このページの約定の13項目は、題と当事者の呼び方(注文者・請負者)を入れ替えれば、注文書にも使えます。印紙の扱いは請書とは分けて考えます。判断に迷うときは税務署に確かめてください。
  • 発注書(工事ではない仕事を頼むとき)は、頼む相手が個人(従業員を使わない)か、代表者1人だけの法人のときに、フリーランス法 第3条が給付の内容・報酬の額・支払期日などを、直ちに書面か電磁的方法で明示することを求めています(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律 第3条。相手の範囲は第2条)。

このページで配っているひな形は注文請書だけです。注文書と発注書の様式は、出面帳のアプリが作ります。

出面帳のアプリでできること

「出面帳&請求書」アプリは、毎日の出面(取引先・現場・常用か請負か・人工・単価)をスマホで記録して、取引先ごとの締め日に合わせた請求書のPDFを作るアプリです。元請けから工事を請けたときの注文請書、下請けに出す注文書、個人の外注先に頼む発注書も、PDFで作れます。

  • 取引先を選ぶと、宛名と支払いの条件(その取引先の締め日から作った文)が入ります。
  • 約定の文はひな形が入っていて、画面で直せます。前回に直した文面は覚えています。
  • 金額は税抜でも税込でも入れられ、消費税は請求書と同じ切り捨てで計算します。
  • 注文請書は、税抜1万円以上のとき、PDFに収入印紙の欄が入ります。紙で渡すかどうか、印紙を貼るかどうかは自分で決めます。 PDFを送るだけなら、上の文書回答のとおり印紙の話にはなりません。

注文書類は、アプリの中には残らず、作ったPDFが控えになります(共有・保存したPDFを手元に残してください)。

出面帳&請求書アプリで作った注文請書のPDF。宛名は◯◯工務店 御中、請負代金は税込418,000円(税抜380,000円・消費税38,000円)、工事場所は◯◯様邸、内装ボード張り 一式、着手・完成の時期、約定が13行、注文者と請負者の欄、収入印紙の枠
出面帳&請求書アプリで作った注文請書のPDF(架空のデモデータ)。名前と住所は ◯◯ にしています。

App Storeで見る ・ Google Playで見る

よくあるご質問

Q. 注文請書と請求書は何がちがいますか? A. 注文請書は、仕事を請けるときに、内容と代金と条件を確かめ合うための書面です。請求書は、仕事が済んでから代金を請求する書面です。請求書の書き方は常用の請求書のテンプレートにまとめています。

Q. 注文書をもらっていれば、注文請書は出さなくてもよいですか? A. 建設業法 第19条は、当事者が事項を書面に書き、署名か記名押印をして相互に交付することを求めています。注文書にそれが書いてあり、こちらの署名か記名押印もある書面を相互に交付しているかどうかが分かれ目になります。取引先の取り決めを確かめ、判断に迷うときは、行政書士か建設業の窓口に確かめてください。

Q. 注文請書を紙でも渡すと、印紙はいくらですか? A. 契約金額で決まります。契約金額が1万円以上100万円以下なら200円です(上の表)。消費税額を分けて書いてあれば、税抜の額で見ます。

Q. 電子メールで送ったあとに、念のため紙も渡すと? A. 福岡国税局の文書回答の別紙には、現物をあとから渡した場合は課税文書の作成に当たり、現物に印紙税がかかるという照会者の考えが書かれていて、回答はそれを「貴見のとおり」としています。紙で渡すなら、印紙を貼って消印します。

Q. 追加の工事が出たときは? A. 建設業法 第19条 第2項は、請負契約の内容で第1項の事項に当たるものを変更するときは、その変更の内容を書面に書き、署名か記名押印をして相互に交付することを求めています。追加の注文書と、それを請ける請書を取り交わしておくと、あとで調べやすくなります。

Q. 約定の文は、このひな形のままで使えますか? A. ひな形は、よくある取り決めを平たく書いた例で、法律の文を写したものではありません。工事の中身や取引先との取り決めに合わせて、必ず自分で読んで直してください。

Q. テンプレートの利用に条件はありますか? A. ありません。商用・非商用を問わず、自由に書き換えて使ってください。クレジット表記も不要です。

関連ページ

条文は2026年10月31日に e-Gov 法令検索で確かめた内容です(建設業法 第19条・印紙税法 別表第一・フリーランス法 第2条・第3条)。国税庁のタックスアンサーと福岡国税局の文書回答も同じ日に確かめました。軽減措置の期限(令和9年3月31日)は、延長や変更があることがあります。税の扱いは取引の中身で変わります。個別の判断は顧問の税理士か税務署に確かめてください。