建設業の見積書テンプレート(内訳・工程つき)
このページの要点
- 建設業者は、工事の種別ごとの材料費・労務費と、法定福利費・安全衛生経費・建設業退職金共済の掛金などの内訳、工程ごとの作業と日数を書いた見積書(材料費等記載見積書)を作るよう努めます(建設業法 第20条第1項・2025年12月12日施行)。
- 表紙(工事の種別ごとの合計・不可欠な経費・消費税・工程)と内訳明細書(30行)の2枚組のひな形を、エクセル(数式入り)とPDFで無料で配っています。会員登録はいりません。
- 注文者から求められたら、契約が成立するまでに見積書を渡さなければなりません(同条第4項)。見積書そのものに法律で決まった様式はありません。
外構・土木・内装など、建設工事の見積書のひな形です。エクセル版は「見積書」(表紙)と「内訳明細」の2枚のシートに、それぞれの記入例のシートがついています。内訳明細書に「工事の種別」と「区分(材料費・労務費・その他)」を書いて行を足していくと、表紙の種別ごとの材料費・労務費・その他の経費と、小計・消費税・御見積金額まで自動で入ります。
ダウンロード
- 建設業の見積書テンプレート(エクセル・xlsx/表紙と内訳明細書・数式入り・記入例のシートつき)
- 建設業の見積書テンプレート(PDF・A4縦2枚/印刷して手書き)
- 建設業の見積書の記入例(PDF・外構工事)
2025年12月から見積書に求められること(材料費等記載見積書)
2025年12月12日に施行された改正で、建設業法 第20条の見積りの決まりが書き換わりました。見積書にかかわる所を、条文の言い回しに沿って並べます。
| 項 | 決まり | 誰が |
|---|---|---|
| 第1項 | 工事の種別ごとの材料費・労務費・不可欠な経費その他の経費の内訳と、工程ごとの作業と準備の日数を書いた見積書(材料費等記載見積書)を作るよう努める | 建設業者 |
| 第2項 | 見積書の材料費等の額を、通常必要と認められる額より著しく低くしてはならない | 建設業者 |
| 第4項 | 注文者は見積書の内容を考えるよう努める。建設業者は、注文者から求められたら、契約が成立するまでに見積書を交付する | 注文者・建設業者 |
| 第5項 | 注文者の承諾があれば、紙の代わりにメールなどの電子の方法で渡せる | 建設業者 |
| 第6項 | 注文者は、材料費等の額を通常必要と認められる額より著しく低くするような変更を求めてはならない | 注文者 |
- 第1項は「作成するよう努めなければならない」という努力義務です。作らないこと自体に罰則が書かれているわけではありません。ただし第4項の交付(求められたら渡す)は「しなければならない」です。
- 「不可欠な経費」は、建設業法施行規則 第13条の12 が3つと決めています。法定福利費(健康保険料などの事業主負担額)・安全衛生経費・建設業退職金共済の掛金です。
- 改正前の第20条第1項も「材料費、労務費その他の経費の内訳」を明らかにして見積りをするよう努める、という書き方でした。改正で不可欠な経費が名指しされ、「著しく下回る額にしない」(第2項)と「下げるよう求めない」(第6項)が加わりました。
ここでいう「建設業者」は、建設業の許可を受けた人です(同法 第2条第3項)。許可のいらない小さな工事だけを請け負う人は条文の対象から外れますが、元請や施主から内訳の分かる見積書を求められることは多く、このひな形はそのまま使えます。
欄ごとの書き方(表紙)
| 欄 | 書くこと |
|---|---|
| 宛名 | 注文する人。個人なら「様」、会社なら「御中」 |
| 見積日・見積番号 | 見積書を出す日と、自分で決めた通し番号 |
| 有効期限 | この金額で受ける期限。材料の値上がりが続く時期は短めに |
| 工事名・工事場所 | 何の工事をどこでするか。施主の名前と現場の住所 |
| 工期(予定) | 着工から完成までの見込み。養生など待つ日も含める |
| お支払条件 | 契約時・完成時などの支払いの分け方と期日 |
| 発行者・建設業の許可 | 会社名・屋号・氏名と連絡先。許可があれば「◯◯県知事 許可(般-◯)第◯号」の形で |
| 登録番号 | インボイスの登録番号(T と13桁の数字)。登録していなければ空けておく |
| 見積の内訳 | 工事の種別ごとの材料費・労務費・その他の経費と合計(エクセル版は内訳明細書から自動) |
| 法定福利費ほか3行 | 不可欠な経費(施行規則 第13条の12)を1行ずつ。対象が無ければ 0 |
| 諸経費 | 現場管理費・一般管理費など、上のどれにも入らない経費 |
| 工程ごとの作業と日数 | 工程の名前、作業の内容、準備に要る日数と作業の日数 |
内訳明細書の書き方(材料費・労務費・その他)
- 1行に1つの区分。材料と手間をまとめた「材工共」の単価は、できるだけ材料費の行と労務費の行に分けます。記入例では、フェンスの本体と柱(材料費 112,500円)と、ブロック積み・建込みの手間(労務費 100,000円)を分けています。
- 労務費は人工(にんく)×単価か、面積あたりの手間の単価で。記入例の土間コンクリートは「型枠・メッシュ・打設・金ごて仕上げ 8人工 × 25,000円」、解体は「はつり・撤去 30㎡ × 2,500円」です。
- その他は、材料でも人の手間でもないもの。ガラの運搬・処分、重機の回送・損料などです。
- 工事の種別の名前は、表紙と同じ字で書きます。エクセル版は名前が一字でもちがうと足し上げに入りません(「土間工事」と「土間コンクリート工事」は別の種別として扱われます)。
- 記入例の直接工事費 754,200円 の内訳は、材料費 268,200円・労務費 419,000円・その他 67,000円 です。表紙の「直接工事費の計」の行と同じ数字になります。
法定福利費・安全衛生経費・建退共の掛金の書き方
- 法定福利費は、その工事に従事する人の健康保険料・厚生年金保険料などの、事業主が負担する分です(施行規則 第13条の12 第1号)。労務費をもとに、会社の負担する保険料の率を掛けて出す形が多く見られます。率は保険の種類・年度・加入の状況で変わるので、自社の率を使ってください。
- 安全衛生経費は、工事に従事する人の安全と健康を確保するための経費です(同条第2号)。記入例では保護具・カラーコーン・仮囲いを入れています。
- 建設業退職金共済の掛金は、建退共の対象の人が現場に入る日数分です(同条第3号)。対象の人がいない工事は 0 にして、備考に一言書いておくと先方が迷いません。
- 記入例の法定福利費(63,000円)と建退共の掛金(3,200円)は、書き方を示すための仮の数字です。保険料率や掛金の日額から求めた値ではありません。
工程ごとの作業と日数の書き方
第20条第1項は、内訳と並んで「工事の工程ごとの作業及びその準備に必要な日数」を書くよう求めています。表紙の下の表に、工程ごとに1行ずつ書きます。
- 準備の日数=資材の取り寄せ、生コンの手配、近所へのあいさつなど、その工程の前に要る日数。前の工程と並行して進めてよいものです。記入例のフェンスは、取り寄せに5日を見込んでいます。
- 作業の日数=現場で手を動かす日数。コンクリートの養生のように、手は止まっていても待つ日も1行にして書くと、工期の説明になります。
- 工程の日数をそのまま足した数は、工期と一致しないことがあります(準備は重なるため)。工期は表紙の「工期(予定)」に別に書きます。
記入例の読み方(駐車場の土間コンクリート・フェンス)
- 既存の土間(約30㎡・厚さ10cm)をはつって撤去し、砕石の路盤を作り直して、ワイヤーメッシュ入りの土間コンクリートを打ちます。生コンは 30㎡ × 0.1m = 3.0m³ に、ロスを見込んで 3.6m³ としています。
- 消費税は、小計(税抜)895,400円 に1回だけ10%を掛けて 89,540円、御見積金額は 984,940円 です。エクセル版は1円未満を切り捨て(ROUNDDOWN)にしています。
- 備考に、見積の前提(埋設物が出たときは別に相談する)を書いています。前提を書いておくと、追加の工事になったときに話が早くなります。
法令の根拠
- 建設業法 第20条(建設工事の見積り等)= 第1項(材料費等記載見積書を作るよう努める)・第2項(著しく下回る額にしない)・第4項(求められたら交付)・第5項(電子の方法)・第6項(注文者は下げるよう求めない)
- 建設業法 第2条(定義)= 第3項(建設業者=許可を受けて建設業を営む者)
- 建設業法施行規則 第13条の12(適正な施工を確保するために不可欠な経費)= 法定福利費・安全衛生経費・建設業退職金共済の掛金
見積書そのものに、法律で決まった様式はありません。元請や発注者から様式の指定があれば、そちらに合わせてください。
条文は2026年10月11日に e-Gov 法令検索で確かめた内容です(建設業法は2025年12月12日施行の版)。改正されることがあるので、最新の条文もあわせてご確認ください。
現場ですぐに概算を出すなら
「外構・エクステリア 概算見積」は、カーポート・フェンス・ブロック・土間・植栽・剪定・伐採・解体撤去などの工事項目を選んで数量を入れると、項目ごとの単価×数量から諸経費・消費税まで計算し、宛名・有効期限・登録番号の入った御見積書をPDFにできるアプリです。単価は自分の価格に書き換えて保存できます。
アプリの御見積書は、工事項目ごとの「単価×数量」で組む概算の形です。材料費と労務費を分けた内訳や、法定福利費などの行はありません。現場でお客様に目安を伝えるのはアプリで、内訳の分かる正式な見積書はこのページのひな形で、と使い分けてください。見積の計算と画面での確認、PDFの作成は無料版でもできます(無料版のPDFには「SAMPLE」の透かしが入ります)。データは端末の中に保存され、アカウントの登録はいりません。
よくあるご質問
Q. 材料費等記載見積書は、必ず作らなければいけませんか? A. 建設業法 第20条第1項は「作成するよう努めなければならない」という努力義務です。ただし、注文者から求められたときは、契約が成立するまでに見積書を交付しなければなりません(同条第4項)。求められてから慌てないよう、ふだんから内訳を分けて作っておくと安心です。
Q. 法定福利費は、見積金額の何パーセントで書けばいいですか? A. 条文は割合を決めていません。法定福利費は「健康保険料等の事業主負担額」(施行規則 第13条の12 第1号)なので、その工事の労務費に、自社が負担する保険料の率を掛けて出すのが筋です。率は保険の種類や年度で変わるので、加入している保険の率を確かめて使ってください。
Q. 材工共(材料と手間をまとめた単価)で書いてはいけませんか? A. 第20条第1項は、工事の種別ごとの材料費と労務費を分けた内訳を求めています。材工共の単価しか持っていない項目は、材料費の行と労務費の行に分けて書くと、条文の形に近づきます。どうしても分けられない項目は、備考に「材工共」と書いておくと先方が読みやすくなります。
Q. 見積書をメールやPDFで送ってもいいですか? A. 注文者の承諾があれば、紙の代わりにメールなどの電子の方法で渡せます(同条第5項)。承諾をもらったことは、やりとりのメールなどで残しておくと確かです。
Q. 許可のいらない小さな工事しかしていません。関係ありますか? A. 第20条の「建設業者」は、建設業の許可を受けた人です(同法 第2条第3項)。許可のない人は条文の対象から外れますが、内訳の分かる見積書は施主にも元請にも説明しやすく、値引きの話になったときに何を削るかを決めやすくなります。
Q. テンプレートの利用に条件はありますか? A. ありません。商用・非商用を問わず、自由に書き換えて使ってください。行を増やす・欄の名前を変える・会社のロゴを入れるのも自由です。クレジット表記も不要です。
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