人工の計算方法と計算表(エクセル・PDF・無料)
このページの要点
- 人工(にんく)は、1人が1日働いた量を1とする数え方です。人数×日数で数え、半日は0.5、残業は「残業の時間 ÷ 1人工の時間」を取引先と決めた刻みに丸めて足します(8時間・0.25刻みなら、残業2時間で0.25)。
- 基本の人工(1.0か0.5)と残業の時間を入れると、人工・金額・月の合計が出る「人工の計算表」をエクセル(数式入り)とPDFで無料で配っています。残業の早見表と、人工単価の目安を出す欄もついています。会員登録はいりません。
- 人工単価の目安は「1か月にかかる額 ÷ 1か月に働く日数」で出せます。暮らしに使う額だけでなく、保険・車・道具・税の積み立てまで入れるのがこつです。
一人親方・職人さんが、1か月に取引先ごとの人工と金額を数えるための計算表です。エクセル版は「人工の計算表」(空欄)と「記入例」の2枚のシートで、1人工の時間と残業の刻みを取引先との取り決めに合わせて書き換えれば、表の人工がその決め方で計算し直されます。
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人工とは(人数×日数で数える)
人工(にんく)は「1人が1日でする仕事の量」を1とする単位です。
- 1人で1日 = 1人工
- 3人で2日 = 3 × 2 = 6人工
- 2人で半日 = 2 × 0.5 = 1人工
人工には2つの使い方があります。工事の前に「この仕事は何人工かかるか」を見積もる人工(必要な人工)と、実際に現場に入った日を数える人工(出面の人工)です。このページの計算表は後者で、出面(でづら)をもとに請求の数字を出すためのものです。
人工の計算方法(1日・半日・残業)
| 働き方 | 人工 | 計算表の書き方 |
|---|---|---|
| 決めた1日(例: 8:00〜17:00)を通して働いた | 1.0 | 基本の人工に 1.0 |
| 午前だけ・午後だけ | 0.5 | 基本の人工に 0.5 |
| 1日働いたあと残業した | 1.0 + 残業ぶん | 基本の人工に 1.0、残業の時間に時間数 |
残業の人工は、残業の時間 ÷ 1人工の時間 を、決めた刻みに丸めます。 1人工を8時間、刻みを0.25人工(=2時間)にして、半端を四捨五入した場合の早見表です。
| 残業 | 計算 | 足す人工 |
|---|---|---|
| 1時間 | 1 ÷ 8 = 0.125 | 0.25 |
| 2時間 | 2 ÷ 8 = 0.25 | 0.25 |
| 3時間 | 3 ÷ 8 = 0.375 | 0.5 |
| 4時間 | 4 ÷ 8 = 0.5 | 0.5 |
1時間の残業を0.25にするか、0.125にするか、数えないかは、取引先との取り決めで変わります。計算表の「残業の刻み」を0.125にすれば1時間ずつ数えられます。決めた数え方は、請求書の備考に「1日8時間を1.0、残業は2時間を0.25として計算」のように1行書いておくと、先方の勤怠の記録と比べるときに話が早く済みます。
金額の計算(人工 × 単価)
その日の金額は 人工 × 単価 です。記入例の 10/2 は、1.0 + 残業2時間ぶんの0.25 = 1.25人工、単価23,000円なので 1.25 × 23,000 = 28,750円です。
同じ取引先でも、現場によって単価がちがうことがあります。計算表は行ごとに単価を書く形なので、記入例のように現場ごとの単価をそのまま書いてください。月の合計は、出た日数・人工の合計・金額の合計を表の下でまとめて出します。
人工単価の出し方(一人親方の目安)
人工単価は取引先との話し合いで決まるものですが、自分で「これを下回ると続けられない」という線を持っておくと、交渉の材料になります。目安の出し方は次のとおりです。
1人工あたりの単価の目安 = 1か月にかかる額 ÷ 1か月に働く日数
1か月にかかる額には、暮らしに使う額(手元に残したい額)のほか、会社勤めなら会社が持ってくれる費用も、自分の分として入れます。
- 国民健康保険・国民年金
- 労災の特別加入やほかの保険
- 車・ガソリン・駐車場・高速代
- 道具・消耗品・作業着
- 所得税・住民税の積み立て
- 電話・事務の費用と予備
記入例は、合計470,000円を22日で割って21,363円、百円単位に切り上げて21,400円です(数字は書き方を示すための仮のものです)。雨で現場が止まる日や、仕事の切れ目の日を見込んで、働く日数は少なめに置くと安全です。
欄ごとの書き方
| 欄 | 書くこと |
|---|---|
| 年月・取引先・氏名 | 何月の、どの取引先の分か。取引先ごとに1枚 |
| 1人工の時間 | 取引先と決めた1日の実働の時間(例: 8時間) |
| 残業の刻み | 残業を何人工ずつ数えるか(0.25・0.125・0.5) |
| 日付・現場・時間 | 入った日、現場の名前と内容、始めと終わりの時刻 |
| 基本の人工・残業の時間 | 1日なら1.0、半日なら0.5。残業は時間で書く |
| 人工・金額 | エクセル版は自動で出る。決め方と合わない日は人工の欄に直接書く |
| 摘要 | 半日だった理由・残業の中身など、あとで聞かれそうなこと |
記入例の読み方
- 10/5 は午前だけなので基本の人工が0.5、10/13 は雨で午後からなので0.5です。半日の理由を摘要に書いておくと、月末に見返したときに迷いません。
- 10/8 は21時までの4時間の残業で、1.0 + 0.5 = 1.5人工です。
- 2つの現場で単価がちがうので(23,000円と22,000円)、金額は行ごとに計算しています。
- 合計は13日・13.00人工・292,750円です。この数字を、常用の請求書の明細にそのまま写します。
法令の根拠
- 労働基準法 第9条(労働者の定義)
- 労働基準法 第32条(労働時間=休憩を除き1週40時間・1日8時間)
- 労働基準法 第37条(時間外・休日・深夜の割増賃金)
人工の数え方そのものを決めた法令はありません。1人工を8時間とみるのは、雇われて働く人の1日の労働時間(第32条)に合わせた数え方としてよく使われていますが、一人親方が取引先と結ぶ取り決めでは、1日の長さも残業の数え方も当事者どうしで決めます。人を雇って人工で働いてもらう場合は、その人は労働者(第9条)なので、第32条の時間と、時間外の割増賃金(第37条)の決まりがかかります。
条文は2026年10月17日に e-Gov 法令検索で確かめた内容です。働き方が労働者に当たるかどうかなど、個別の判断は労働基準監督署か専門家に確かめてください。
毎日の出面で、人工を数え直さずに済む
「出面帳&請求書」は、その日の出面(日付・取引先・現場・常用か請負か・人工・単価)をスマホでつけておくアプリです。人工は0.25刻みで、0.5・1.0・1.5はボタン1つで入ります。「残業から計算」を押すと、1人工を8時間として残業の時間を0.25人工刻みに換算し、その日の人工に足します(例: 1.0人工 + 残業2時間 → 1.25人工)。
月末は、月の合計人工と取引先ごとの小計が入った出面表のPDFと、締め日で区切った請求書のPDFを作れます。アプリの1人工は8時間で決まっていて、変えることはできません。0.125刻みなどほかの数え方の取引先は、人工の欄に計算した数を直接入れてください。人工単価の目安を出す機能はアプリにはないので、この計算表の下の欄を使ってください。
よくあるご質問
Q. 3人で2日入ったら、何人工ですか? A. 3 × 2 = 6人工です。人工は人数と日数を掛けて数えます。同じ3人でも、1人が半日で帰った日があれば、その日は 2 + 0.5 = 2.5人工です。
Q. 1時間だけ残業した日は、何人工にすればいいですか? A. 取引先との決め方しだいです。2時間で0.25と決めているなら、1時間を0.25に切り上げる・0にする・0.125にする、のどれかになります。迷ったら、その日の摘要に「残業1時間」と書いておき、月末に取引先と確かめてから人工の欄を直してください。
Q. 午前だけ働いた日は、必ず0.5ですか? A. 多くの現場では0.5ですが、決まりではありません。昼休みをはさまずに3時間だけ入った日を0.5にするか、時間で割るかは、取引先との取り決めに合わせます。
Q. 雨で途中から作業が止まった日は、どう数えますか? A. 止まった時刻までを基本の人工にします(昼で止まれば0.5など)。雨で止まった日の扱いを1.0にするか0.5にするかを先に決めておく取引先もあるので、摘要に止まった時刻と理由を書いておくと、あとで話が食い違いません。
Q. 人工と工数は同じですか? A. 「何人で何日かかるか」という考え方は同じです。工数は「人日(にんにち)」「人時(にんじ)」のように日や時間を単位にして使い、人工は建設の現場で1日を単位にした呼び方として使われることが多い言葉です。
Q. テンプレートの利用に条件はありますか? A. ありません。商用・非商用を問わず、自由に書き換えて使ってください。行を増やす・欄の名前を変える・取引先ごとにシートを複製するのも自由です。クレジット表記も不要です。
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