日常点検表のテンプレート(軽貨物・トラック・無料)

このページの要点

  • 日常点検は、ブレーキ・タイヤ・灯火などを、走り出す前に目で見て確かめる点検です。点検する項目は、国土交通省令の自動車点検基準(事業用や自家用の貨物車などは別表第一)で決まっています。
  • その項目を縦に、1か月31日を横に並べた日常点検表(1台1か月で1枚)を、エクセルとPDFで無料で配っています。下に「異状と処置」の欄があり、不良があった日の中身と直したことを書けます。会員登録はいりません。
  • 運送の事業では、業務前の点呼で「日常点検をしたか」を報告し、確認を受けます。軽貨物(黒ナンバー)も同じです(貨物自動車運送事業輸送安全規則 第7条)。

日常点検表のひな形です。エクセル(xlsx)とPDFを用意しました。エクセル版は「日常点検表」のシートと「記入例」のシートの2枚で、毎日の欄は「レ・×・ー」から選べます。

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印刷して車に置き、毎朝のチェックをその日の列に書き込む使い方を考えて、1か月を1枚に収めています。

日常点検表の記入例。事業者名・車両番号・車種・年月・運転者の欄の下に、ブレーキ・タイヤ・バッテリー・エンジン・灯火と方向指示器・ウォッシャとワイパー・エア・タンク・運行で異状があった所の21項目と、1日から31日までの欄が並ぶ。走った日はレ、エア・ブレーキの項目はー、10月5日のタイヤの空気圧だけ赤い×。下に走行距離・点検した人・点呼で確認した人の行と、異状と処置の表がある
記入例(軽バン1台・2026年10月・架空)。日曜は走っていないので空けています。名前・会社名・車両番号は ◯◯ にしています。

日常点検とは

日常点検は、道路運送車両法 第47条の2で、自動車の使用者に決められている点検です。灯火がつくか、ブレーキが効くかなど、日常的に見るべきことを目視などで確かめ、保安基準に合わなくなるおそれがあれば整備します(同条第1項・第3項)。点検する項目は、自動車点検基準 第1条が車の区分ごとに別表で決めています。

区分項目の表点検する時期
運送の事業用の車(緑ナンバー)・車両総重量8トン以上の自家用車など別表第一1日1回、運行を始める前(第47条の2第2項)
それ以外の車(自家用の乗用車など)別表第二走行距離や運行時の状態から判断した適切な時期(同条第1項)

別表第一と別表第二の項目は、ほとんど同じです。別表第一には、エア・ブレーキの車の項目(空気圧力の上がり具合・排気音・エア・タンクの凝水)と、ファン・ベルトの張り具合、大きな車のディスク・ホイールの取付状態が加わります。このひな形は別表第一の項目を全部並べているので、車に無い装置の項目は「ー」にして使ってください。

軽貨物(黒ナンバー)の日常点検

道路運送車両法でいう「自動車運送事業」からは、貨物軽自動車運送事業(軽貨物)が外されています(同法 第2条第7項)。そのため、「1日1回、運行の開始前に」と決めた第47条の2第2項の区分(第48条第1項第1号の「自動車運送事業の用に供する自動車」)に、軽貨物の車はそのままでは当てはまりません。

一方で、軽貨物も貨物自動車運送事業に入るので(貨物自動車運送事業法 第2条)、貨物自動車運送事業輸送安全規則 第7条の点呼をします。業務前の点呼では、道路運送車両法 第47条の2第1項・第2項の点検の実施か、その確認について報告を求め、確認すると決まっています(第7条第1項第3号)。毎日の業務の前に点検しておけば、点呼でそのまま「点検した・異状なし」と報告できます。記入例も、走った日は毎朝チェックしています。

自分の車がどの区分になるか、点呼でどこまで確かめればよいかは、運輸支局に確かめてください。

点検項目ごとの見方

箇所見ること
ブレーキペダルを踏んで、踏みしろと効きが十分か。ブレーキ液がリザーバ・タンクの線の間にあるか。駐車ブレーキの引きしろがいつもと同じか
タイヤ空気圧が足りているか(たわみ方を目で見る・ゲージで測る)。ひび・傷・釘、片減りがないか。溝が十分あるか
バッテリー液量が上と下の線の間にあるか(点検できない型は「ー」)
エンジン冷却水とエンジン・オイルの量。ファン・ベルトの張りと傷。かけた時に音や振動がおかしくないか。低い回転と加速の具合
灯火・方向指示器ヘッドライト・ブレーキランプ・ウインカーなどがつくか、点滅するか。レンズの汚れと割れ
ウォッシャ・ワイパーウォッシャ液の量と、液が正しく出るか。ワイパーできれいにふき取れるか
運行で異状があった所前の日の運転や業務後の点呼で「おかしい」と気づいた所に、異状がないか

別表第一で(※1)が付いた項目(溝の深さ・バッテリー・エンジンのまわり・ウォッシャとワイパー)は、走行距離や運行時の状態から判断した適切な時期に行えばよい、と注があります。ひな形の「注」の欄に ※1 と書いた項目です。毎日見ない日は「ー」にしてください。

欄ごとの書き方

欄書くこと
事業者名・車両番号・車種1枚に1台。軽自動車は車両番号(黒ナンバーの番号)
年月・運転者その月と、主に乗る運転者。日によって運転者が替わるなら「点検した人」の行に書く
毎日の欄良=レ、不良=×、点検しない日・その車に無い項目=ー。走らない日は空けておく
走行距離(km)その日に走った距離。異状に気づいた時期をあとで追えるように
点検した人点検した人の名前(印でもよい)
点呼で確認した人業務前の点呼で日常点検の報告を受けた人。1人で営む軽貨物なら自分の名前
異状と処置×を付けた日の、箇所・異状の内容・処置(その場で直した・整備に出した・確かめた結果)

記入例の読み方(軽バン1台・10月)

  • 走った日はすべての項目にレ、エア・ブレーキの装置を見る3項目と、8トン以上の車だけの「ディスク・ホイールの取付状態」は「ー」にしています。
  • 10月5日は、タイヤの空気圧に×。「異状と処置」に、左後輪の空気圧が少なかったこと、空気を補充して4本とも測り直したことを書いています。同じ日の点呼記録簿の日常点検の欄には「空気圧を補充」と書く形です(点呼記録簿の記入例と同じ日)。
  • 10月19日は、前の日の業務後の点呼で「ブレーキを踏むと音がする」と報告があったので、「運行で異状があった所」として朝に確かめています。異状がなくても、確かめた結果を書いておくと、整備に出すときの説明に使えます。

点呼記録簿・運転日報との関係

日常点検表は、点呼記録簿の「日常点検」の欄の中身の控えです。点呼記録簿には「異常なし」「空気圧を補充」のように結果を短く書き、項目ごとの結果はこの表に残します。

書類書くこと決まり
日常点検表(このページ)点検項目ごとの結果と、異状と処置点検の項目は自動車点検基準
点呼記録簿業務前に日常点検の実施かその確認を報告した記録輸送安全規則 第7条(1年間保存)
運転日報その日の業務の記録(運転者・車両・時刻・距離など)輸送安全規則 第8条

スマホの運転日報に、日常点検の欄があります

「運転日報」アプリは、スマホで毎日の運転日報を作るアプリです。日報の入力に日常点検の欄があり、タイヤ・ブレーキ・ライトとウィンカー・ワイパーとウォッシャー液・エンジンとバッテリー・積載の6つにチェックを付けられます。チェックは日報のPDFに出て、点呼記録簿のPDFの「日常点検」の欄には、全部チェックした日は「済」、一部の日は「一部 5/6」のように入ります。

アプリが付けるのは、この6つのチェックまでです。このページのひな形のように、別表第一の項目を1つずつ書く表は作りません。項目ごとに残したいときは、日報と一緒にこのひな形を使ってください。

運転日報アプリで作った運転日報(詳細)のPDFの上の部分。業務日・ドライバー・車両名・ナンバー・始業と終業の時刻とkm・アルコールの欄の下に、日常点検の欄があり、タイヤ・ブレーキ・ライト・ワイパー・積載にチェックが入り、エンジンだけチェックが無い
運転日報アプリの日報PDF(詳細・架空のデモデータ)。チェックの無い項目は空いた箱で出ます。

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よくあるご質問

Q. 日常点検表に決まった様式はありますか? A. 道路運送車両法と自動車点検基準の条文には、日常点検の結果を書く様式は決められていません(確かめた範囲)。決まっているのは点検する項目です。このひな形は、その項目(別表第一)を並べた自主的な記録の表です。運送会社や元請に決まった様式があれば、そちらに合わせてください。

Q. 日常点検表の保存期間は? A. 道路運送車両法の点検整備記録簿(第49条)は、第48条の定期点検の記録です。日常点検の結果を書いた表の保存期間は、確かめた条文の中にはありませんでした。運送の事業の点呼の記録は1年間保存する決まりで(輸送安全規則 第7条第5項)、点呼では日常点検の確認を記録するので、日常点検表もそれに合わせて1年は残しておくと分かりやすいです。

Q. 軽貨物は毎日点検しないといけませんか? A. 上の「軽貨物(黒ナンバー)の日常点検」のとおり、道路運送車両法の「1日1回、運行の開始前」の決まりは、軽貨物にはそのままでは当てはまりません。ただ、業務前の点呼で日常点検の実施かその確認を報告することになっているので、業務の前に点検しておくのが確かです。詳しくは運輸支局に確かめてください。

Q. 不良(×)があったら、その日は走れませんか? A. 点検の結果、保安基準に合わなくなるおそれがある状態か、合わない状態なら、必要な整備をすることになっています(道路運送車両法 第47条の2第3項)。空気圧の補充のようにその場で直せるものは直し、ブレーキの効きのように安全に関わるもので直せないときは、運行管理者や整備工場に相談してください。処置は「異状と処置」の欄に残します。

Q. 複数の車があります。 A. 1台に1枚です。エクセル版はシートを車の台数だけコピーして、シートの名前を車両番号にしておくと探しやすくなります。

Q. テンプレートの利用に条件はありますか? A. ありません。商用・非商用を問わず、自由に書き換えて使ってください。項目を減らす・足す、表題を「始業点検表」「車両点検表」に変えるのもかまいません。クレジット表記も不要です。

法令の根拠

条文は2026年10月16日に e-Gov 法令検索で確かめた内容です(道路運送車両法・貨物自動車運送事業輸送安全規則は2026年4月1日施行の版、自動車点検基準は2023年12月21日施行の版)。

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