労働条件通知書のテンプレート(無料)

このページの要点

  • 人を雇うときは、契約期間・働く場所と仕事・時間と休み・賃金・退職のことを書面で渡します(労働基準法 第15条・施行規則 第5条)。その書面が労働条件通知書です。パートやアルバイトでも同じです。
  • 2024年4月から、働く場所と仕事の「変更の範囲」・有期契約の「更新の上限」・無期転換も明示する事項になりました。パートや有期契約の人には、昇給・賞与・退職金の有無と相談窓口も文書で知らせます(パート・有期雇用労働法 第6条)。
  • 厚生労働省のモデル労働条件通知書と同じ欄の順で、これらの欄をそろえたエクセルとPDFのひな形(パートの記入例つき)を無料で配っています。会員登録はいりません。

パート・アルバイト・正社員を雇うお店や事業所のための、労働条件通知書のひな形です。エクセル(xlsx)とPDFを用意しました。A4縦に1枚。エクセル版は「期間の定め」「更新の有無」「支払方法」などを一覧から選べます。

ダウンロード

労働条件通知書の記入例。交付日 2026年10月20日、◯◯食堂のパート。契約期間は期間の定めあり(2026年11月1日〜2027年4月30日の6か月)、更新する場合があり得る・判断の基準・通算の契約期間は5年まで・無期転換。就業の場所と業務はそれぞれ雇入れ直後と変更の範囲。始業11時・終業15時・休憩30分・所定時間外労働なし・週4日のシフト。休日・休暇。賃金は時給・通勤手当・割増賃金率・毎月末日締め翌月25日払い・口座振込・昇給あり・賞与なし・退職金なし。退職は定年なし・14日以上前に届け出・解雇の事由。社会保険・相談窓口。下に本人の署名欄
記入例(架空)。食堂のパート(有期6か月)です。事業所名・名前は ◯◯ にしています。

労働条件通知書とは

雇う側(使用者)は、労働契約を結ぶときに、賃金・労働時間などの労働条件を働く人に示さなければなりません(労働基準法 第15条第1項)。そのうち大事な事項は、書面を渡して示すことが決まっています。この書面が労働条件通知書です。決まった様式はないので、会社で作った書式でもかまいません。

示した条件が実際と違っていたら、働く人はすぐに契約を解除できます(同 第2項)。第15条第1項に違反すると、30万円以下の罰金です(第120条)。

契約を更新するときも、新しい契約を結ぶことになるので、そのたびに示します。

書面で渡す事項と、決めていれば示す事項

施行規則 第5条は、示す事項を次のように分けています。

事項示し方
契約期間書面
更新の基準・上限(有期で更新があり得るとき)書面
就業の場所と業務(変更の範囲を含む)書面
始業・終業・残業の有無・休憩・休日・休暇書面
賃金の決め方・計算・支払方法・締切日と支払日書面
昇給示す(口頭でも可)
退職のこと(解雇の事由を含む)書面
退職金・賞与・食費などの負担・安全衛生・表彰と制裁・休職など決めていれば示す

書面で渡す事項は、第5条第1項の第1号から第4号まで(昇給を除く)です(同 第3項)。退職金・賞与などは、定めがあるときだけ示します(第1項ただし書き)。ひな形はどちらも書けるように欄を置いています。

労働条件通知書の書き方(欄ごと)

欄書くこと
交付日・氏名・雇入れ日渡す日、働く人の名前、働き始める日
契約期間期間の定めなし/あり。ありなら始まりと終わりの日
更新更新の有無・判断の基準・通算の期間か回数の上限・無期転換(有期のとき)
就業の場所・業務雇入れ直後の場所と仕事、これから変わり得る範囲
始業・終業・休憩時刻と休憩の長さ、所定の時間を超える仕事の有無。シフト制ならシフトの決め方
休日・休暇休みの日(法定休日がどの日か)、年次有給休暇など
賃金基本賃金・手当・割増賃金率・締切日と支払日・支払方法・昇給・賞与・退職金
退職定年、自分から辞めるときの手続き、解雇の事由と手続き
その他社会保険の加入、相談窓口など

いちばん下に「上記の労働条件の明示を受けました」と、受け取った日と本人の署名の欄を置いています。署名は法律で決まったものではありませんが、渡したことの控えになります。

2024年4月から加わった3つのこと

事項対象書き方の例
変更の範囲全員就業の場所=店が定める店舗/業務=店の定める業務
更新の上限有期で更新があり得る人通算の契約期間は5年まで、更新は3回まで
無期転換無期転換を申し込める契約の人申込みの機会と、転換した後の労働条件
  • 変更の範囲: 雇入れ直後の場所と仕事に加えて、配置転換などでこれから変わり得る範囲を書きます(施行規則 第5条第1項第1号の3)。変わることがなければ「変更なし」と書きます。
  • 更新の上限: 通算の契約期間か更新の回数に上限があるときは、その上限を書きます(同 第1号の2)。
  • 無期転換: 同じ会社との有期契約が通算5年を超えると、働く人は期間の定めのない契約への転換を申し込めます(労働契約法 第18条)。申し込める権利がある契約を結ぶときは、申込みの機会と、転換した後の労働条件も示します(施行規則 第5条第5項・第6項)。

パート・アルバイトに渡すとき

パートやアルバイトも労働者なので、正社員と同じ事項を書面で渡します。加えて、パートや有期契約の人には次の事項を文書で知らせます(パート・有期雇用労働法 第6条第1項・同施行規則 第2条第1項)。

  • 昇給の有無
  • 退職手当の有無
  • 賞与の有無
  • 待遇の違いについて説明を求めることができること(同法 第14条第2項)
  • 雇用管理の改善などの相談窓口

違反すると10万円以下の過料です(同法 第31条)。ひな形では、昇給・賞与・退職金は賃金の欄に、相談窓口と説明のことはその他の欄に書くようにしています。

記入例の読み方

記入例は、食堂でホールを担当するパート(週4日・11時から15時)を6か月の有期契約で雇う例です。

  • 契約期間は「期間の定めあり」で始まりと終わりの日、更新は「更新する場合があり得る」と判断の基準、通算の上限を書いています。
  • 無期転換は、この6か月の契約の間には申し込める権利が生じないことを書いています。通算5年を超える契約を結ぶときは、申込みの機会と転換後の条件をここに書きます。
  • 就業の場所・業務は、雇入れ直後と変更の範囲を2行に分けています。
  • 賃金は時給と通勤手当、割増賃金率、締切日と支払日、支払方法。パートなので昇給・賞与・退職金の有無も書いています。

時刻や金額は書き方を示すための架空の例です。実際の条件は、就業規則と雇用契約に合わせてください。

雇用契約書との違い

労働条件通知書雇用契約書
誰が作る雇う側が作って渡す雇う側と働く人の両方が署名する
法律渡すことが義務(労働基準法 第15条)作る義務はない
目的労働条件を示す契約の中身を互いに確かめる

労働契約法 第4条第2項は、契約の中身をできる限り書面で確かめるよう求めています。労働条件通知書に両方の署名欄を付けて「労働条件通知書 兼 雇用契約書」として1枚にまとめることもできます。その場合も、書面で渡す事項がそろっているかを確かめてください。

渡し方(紙・メール)

渡し方は、書面の交付が基本です(施行規則 第5条第4項)。働く人が希望したときは、ファクスやメールなどで送ってもかまいません。メールなどの場合は、受け取った人が印刷して書面にできるものに限られます。PDFを添付して送り、希望したことが分かるやりとりを残しておくと安心です。

渡した控えは、労働者名簿・賃金台帳と一緒に保管しておくと、あとで条件を確かめるときに役立ちます。

法令の根拠

アプリなら従業員ごとに作って残せる

「賃金台帳・給与明細」アプリは、従業員ごとに労働条件通知書を作って保存できるアプリです。欄は施行規則 第5条の事項に沿っていて、2024年4月からの変更の範囲・更新の上限・無期転換も書けます。事業所の名前・締切日・支払日は設定から、賃金の形と額は従業員の登録から入るので、同じことを何度も書かずに済みます。本人の署名欄つきのPDFで渡せます。

賃金台帳アプリで出力した労働条件通知書のPDF。◯◯ ◯◯ 殿、カフェ◯◯。契約期間は期間の定めあり(2026年11月1日〜2027年3月31日)で、更新の有無・判断の基準・上限。就業の場所と従事すべき業務の内容は雇入れ直後と変更の範囲。始業10時・終業15時・休憩45分・所定時間外労働なし。休日・休暇。賃金は時給・締切日と支払日・通勤手当・支払方法・昇給・賞与・退職金。退職に関する事項、その他。下に本人の署名欄
アプリで出力した労働条件通知書のPDF(架空のデータ)。時給で働くパートの有期契約です。

アプリの労働条件通知書は、契約期間(更新と上限・無期転換)・就業の場所・業務・時間・休日・休暇・賃金・退職・その他の欄です。割増賃金率や相談窓口は、賃金やその他の欄に書き足せます。署名をもらった紙の控えは、このテンプレートと同じように保管してください。

  • 労働条件通知書の作成は無料版でもできます(無料版のPDFは透かし入り)
  • 出勤簿・給与明細・賃金台帳・労働者名簿も、同じアプリでそろいます
  • 記録は端末の中だけに保存されます。アカウント登録は不要です
  • 無料版とPro版の違いは紹介ページにまとめています

App Storeで見る ・ Google Playで見る

よくあるご質問

Q. テンプレートの利用に条件はありますか? A. ありません。商用・非商用を問わず、自由に書き換えて使ってください。欄を足したり、社名を入れたりしてもかまいません。クレジット表記も不要です。

Q. パートやアルバイトにも労働条件通知書は要りますか? A. 要ります。パートやアルバイトも労働者なので、正社員と同じ事項を書面で渡します。さらに昇給・退職手当・賞与の有無と相談窓口なども文書で知らせます(パート・有期雇用労働法 第6条)。

Q. 雇用契約書を作っていれば、労働条件通知書はいりませんか? A. 雇用契約書に、書面で渡すことが決まっている事項(契約期間・就業の場所と業務・時間と休み・賃金・退職など)がそろっていれば、その書面を渡すことで足ります。「労働条件通知書 兼 雇用契約書」として1枚にまとめる形もよく使われます。

Q. メールやPDFで渡してもよいですか? A. 働く人が希望した場合は、メールなどで送れます。受け取った人が印刷して書面にできるものに限られます(施行規則 第5条第4項)。希望したことが分かるやりとりを残しておくと安心です。

Q. 労働条件通知書をもらっていない場合はどうなりますか? A. 雇う側には書面で渡す義務があり、違反すると30万円以下の罰金です(労働基準法 第15条・第120条)。雇う側が個人事業主の小さな店でも、人を雇えば同じです。もらっていないときは、まず雇い主に書面を求めてください。

Q. 2024年4月の改正の前に雇った人にも、作り直して渡しますか? A. 新しく示す事項(変更の範囲・更新の上限・無期転換)は、2024年4月からの契約を結ぶとき・更新するときに示すものです(厚生労働省の案内)。有期契約の人なら、次の更新のときに新しい事項を入れた通知書を渡します。

Q. 割増賃金率は何%と書けばよいですか? A. 就業規則や雇用契約で決めた率を書きます。テンプレートの記入例の率は書き方を示すための例です。

関連ページ

条文は 2026年10月29日に e-Gov 法令検索で確かめた内容です(労働基準法 第15条・第120条、同施行規則 第5条、短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律 第6条・第14条・第31条、同施行規則 第2条、労働契約法 第4条・第18条)。改正されることがあるので、最新の条文もあわせてご確認ください。