介護タクシーの輸送実績報告書の書き方(記入例と集計表)

このページの要点

  • 福祉輸送事業限定などの介護タクシー(一般乗用旅客自動車運送事業(限定))は、毎年5月31日までに、前年4月1日から3月31日までの1年分の輸送実績報告書(第4号様式 第3表)を出します(旅客自動車運送事業等報告規則 第2条)。
  • 輸送実績の欄は走行キロ・運送回数・輸送人員・営業収入(千円)の4つ。ほかに3月31日現在の事業概況と、1年間の事故件数を書きます。
  • 毎月の乗務記録から12か月を積み上げ、様式に写す数字まで出す集計表(エクセル・PDF・記入例つき)を無料で配っています。

介護タクシーの事業者が年に1回出す「輸送実績報告書」の書き方です。国の様式(第4号様式 第3表)の欄ごとに、何を書くか、毎日の乗務記録(日報)のどこから数字を拾うかをまとめました。1年分の日報を5月にまとめて数え直さなくて済むように、月ごとの数字を書きためる集計表をエクセルとPDFで用意しています。会員登録もメールアドレスの入力もいりません。

輸送実績報告書とは(介護タクシーは毎年5月31日まで)

旅客自動車運送事業等報告規則 第2条は、事業の区分ごとに、どの報告書をいつまでに出すかを表で決めています。介護タクシーに関係するのは次の3つの区分です。

事業の区分出す報告書期限
一般乗用(限定)=福祉輸送事業限定など輸送実績報告書(第4号様式 第3表)毎年5月31日まで
一般乗用(個人タクシー・限定を除く)事業報告書と、輸送実績報告書(第4号様式 第1表)事業報告書は事業年度の経過後100日以内・輸送実績報告書は毎年5月31日まで
個人タクシー事業報告書と、輸送実績報告書(第4号様式 第2表)同上
  • 第3表の区分は、正確には「道路運送法 第86条第1項により業務の範囲を限定する条件を付けられた一般乗用の事業者で、地方運輸局長が定めるもの」です(第2条の表の第6号)。許可に「福祉輸送事業限定」などの条件が付いているかは許可証で確かめられます。どの表を使うか迷ったら、管轄の運輸支局に確かめてください。
  • 第3表の区分には、表で輸送実績報告書だけが挙がっていて、事業報告書は挙がっていません。
  • 報告の期間は前年4月1日から3月31日までです(第2条第3項)。2027年5月31日までに出すのは、2026年4月1日から2027年3月31日までの1年分です。
  • 出す先は、営業区域を管轄する運輸支局(運輸監理部)です(第4条)。
  • 報告をしなかったり、うその報告をしたりすると、道路運送法 第98条第18号で100万円以下の罰金の対象になります(同法 第94条第1項の報告)。

国土交通省は、報告書をExcelのデータのまま(PDFにしないで)、管轄の運輸支局へメールで出すよう案内しています。2026年4月1日からは e-Gov の電子申請でも出せるようになりました。提出用の Excel の様式(一般乗用(限定(福祉)))と提出先のメールアドレスは、国土交通省「旅客自動車運送事業に係る報告について」にあります。

第3表に書く欄と、日報のどこから拾うか

第3表は「事業概況」「輸送実績」「事故件数」の3つの段でできています。どの欄も「管轄区域内」と「全国」の2列で、営業区域が1つの運輸支局の中だけなら、2列とも同じ数字です。

欄書くこと拾う所
事業者番号書かなくてよい(国の通知)—
資本金(基金)の額(千円)3月31日現在の額。個人事業などで当てはまらなければ0か空欄登記・決算の書類
兼営事業ほかに営んでいる主な事業の名前(訪問介護など)—
事業用自動車数(両)3月31日現在の台数。国の Excel の様式は2行で、下の行に「うち訪問介護員等による契約自家用自動車の数」車検証・届出の控え
従業員数(人)3月31日現在の人数と、( )内に運転者数。兼営事業があれば、この事業のぶんを割り振る名簿
走行キロ1年間に事業用自動車が走った距離の合計乗務記録の積算キロ(始業時と終業時の差)
運送回数旅客を運んだ回数の合計乗務記録の「旅客が乗車した区間」の行
輸送人員運んだ人数の合計乗務記録の人数の欄
営業収入(千円)1年間の営業収益(千円未満の扱いは運輸支局の案内に合わせる)乗務記録の運賃・介助料など
事故件数交通事故件数・重大事故件数・死者数・負傷者数事故の記録
  • 営業収入は、国の通知で「事業の損益明細表の営業収益の欄に計上されるべき金額の当期分の実績」とされています。介助料などを旅客運送の事業の収益に入れているかどうかで数字が変わるので、決算(青色申告決算書など)の分け方と合わせておくと、あとで説明しやすくなります。
  • 運送回数と輸送人員は、送迎のたびに乗務記録の「旅客が乗車した区間」に1行ずつ書いておけば、行の数と人数の欄を足すだけで出せます。付き添いの方を人数に数えるかなど、数え方に迷うときは管轄の運輸支局に確かめてください。
  • 交通事故は道路交通法 第72条第1項の交通事故、重大事故は自動車事故報告規則 第2条の事故です(様式の備考)。事故が無かった年は0を書きます。
  • 第3表には実車キロ(お客様を乗せて走った距離)の欄がありません。実車キロや実働日数(日車)があるのは、限定でない一般乗用の第1表です。

集計表のダウンロード

集計表は国の様式そのものではなく、様式に写す数字を出すための表です。上の段に4月から翌年3月までの12か月の数字(実働日数・走行キロ・うち実車キロ・運送回数・輸送人員・営業収入・交通事故)を書きためると、エクセル版は年の合計と実車率、第3表の「輸送実績」に写す数字(営業収入は千円)を自動で出します。下の段は、事業概況と事故件数を書き写しやすいように、様式と同じ並びにしました。

月ごとの数字は、介護タクシーの乗務記録(日報)テンプレートの「月の一覧」の月の合計(走行キロ・実車キロ・運送回数・輸送人員・営業収入)をそのまま写せます。毎月の締めのときに1行ずつ書いておけば、5月にまとめて日報をめくり直さなくて済みます。

輸送実績報告書の記入用 集計表の記入例。2025年度の4月から3月までの12か月について、実働日数・走行キロ・うち実車キロ・運送回数・輸送人員・営業収入・交通事故の数字が並び、合計は実働日数261日車・走行キロ19,480km・実車キロ5,939.1km・運送回数783回・輸送人員916人・営業収入2,269,300円・事故0件。下の段に、第3表の輸送実績に写す数字(走行キロ19,480・運送回数783・輸送人員916・営業収入2,269千円)と、事業概況(事業用自動車数1両・従業員数1人・うち運転者数1人)、事故件数(すべて0)がある
記入例。車両1台・1人で営む介護タクシー(架空)の1年分です。事業者名は ◯◯ にしています。数字は書き方を示すための仮のものです。

記入例の読み方(車両1台の事業者)

記入例は、車両1台・運転者1人で、平日に通院や施設への送迎をしている介護タクシーの2025年度(2025年4月1日〜2026年3月31日)です。

  • 12か月の合計は、走行キロ 19,480km・運送回数 783回・輸送人員 916人・営業収入 2,269,300円です。第3表の「輸送実績」には、走行キロ 19,480、運送回数 783、輸送人員 916、営業収入 2,269(千円)と写します。
  • 営業区域が1つの運輸支局の中だけなので、「管轄区域内」と「全国」は同じ数字です。
  • 実車キロ(5,939.1km)と実車率(30.5%)は第3表には書きませんが、空車で走っている割合が分かるので、集計表には残しています。
  • 個人事業なので、資本金の欄は空欄です。兼営事業は「なし」、事業用自動車数は1両(うち訪問介護員等による契約自家用自動車は0)、従業員数は1人(うち運転者数1人)です。
  • 1年間に事故はなかったので、交通事故件数・重大事故件数・死者数・負傷者数はすべて0です。

毎日の日報から年度の集計まで(アプリ)

「介護タクシー日報」アプリは、出庫・帰庫の積算キロと送迎ごとの記録(乗車・降車の地点、人数、運賃・介助料、実車距離)をスマホに入れておくと、設定画面の「輸送実績報告書(年1回)」から年度を選ぶだけで、1年分の走行キロ・実車キロ・運送回数・輸送人員・営業収入(千円)を1枚のPDFにまとめます。月ごとの内訳12行と、記録からは出せないので自分で書く項目(事業用自動車数・従業員数・事故件数など)の一覧も付きます。報告書の様式そのものではなく、書き写すときの集計としてお使いください。

介護タクシー日報アプリで作った「輸送実績報告書の記入用 集計(年度)」のPDF。2025年度について、様式に書き写す数字として延実働車両数261日車・走行キロ19,480km・うち実車キロ5,939km・実車率30.5%・運送回数783回・輸送人員916人・営業収入2,269千円・実働車1日1車あたり営業収入8,695円が、出し方の説明つきで並び、下に2025年4月から2026年3月までの月ごとの内訳がある
介護タクシー日報アプリで作った年度の集計のPDF(架空のデモデータ。上の記入例と同じ1年分です)。

毎日の乗務記録(日報)・1か月の乗務記録・点呼記録簿・事故記録簿・月の売上のPDFも、同じ記録から作れます。本体は無料で、日報3件まで試せます(PDFに「SAMPLE」の透かしが入ります)。Pro版は一度きりの買い切りです。

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よくあるご質問

Q. いつの分を、いつまでに出しますか? A. 毎年5月31日までに、前年4月1日から3月31日までの1年分を出します(報告規則 第2条第3項)。たとえば2027年5月31日までに出すのは、2026年4月1日から2027年3月31日までの分です。事業年度(決算の期間)とは関係なく、いつも4月から3月の1年で数えます。

Q. 事業報告書も出す必要がありますか? A. 第2条の表では、一般乗用(限定)の区分には輸送実績報告書だけが挙がっています。限定の条件が付いていない一般乗用の事業者と個人タクシーは、事業報告書(事業年度の経過後100日以内)も出します。自分の区分が分からないときは、許可証の条件を見るか、管轄の運輸支局に確かめてください。

Q. 実車キロ(お客様を乗せて走った距離)は書きますか? A. e-Gov の第3表と国土交通省の提出用の様式(一般乗用(限定(福祉)))には、実車キロの欄がありません。欄があるのは限定でない一般乗用の第1表です。運輸支局から別の様式を渡されて欄があったときに困らないよう、集計表には実車キロの列を残しました。

Q. 集計表をPDFにして出してもいいですか? A. このページの集計表は、報告書そのものではありません。報告書は国土交通省の提出用の Excel の様式に書き写し、Excelのまま(PDFにしないで)管轄の運輸支局へ出すよう、国土交通省が案内しています。

Q. 事故が1件も無かった年は、どう書きますか? A. 事故件数の4つの欄(交通事故件数・重大事故件数・死者数・負傷者数)に0を書きます。国土交通省の作成要領では、当てはまらない数字の欄は「0」か空欄で、ハイフンや空白は入れないよう案内しています。

Q. 日報を付けていない月があります。どうすればいいですか? A. 一般乗用の事業者は、乗務のたびに業務の記録(乗務記録)を付けて、車両ごとに1年間保存することが運輸規則 第25条で決まっています。輸送実績報告書の数字もこの記録から出すので、乗務記録(日報)テンプレートなどで毎日付けておくと、年に1回の集計がそのまま済みます。

Q. テンプレートの利用に条件はありますか? A. ありません。商用・非商用を問わず、自由に書き換えて使ってください。クレジット表記も不要です。

法令の根拠

条文と様式は 2026年10月7日に e-Gov 法令検索で、提出の方法は同じ日に国土交通省のページで確かめた内容です。改正や案内の変更があるので、最新の内容もあわせてご確認ください。

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