遺品整理のチェックリスト(無料・エクセル)

このページの要点

  • 遺品整理で行き違いが起きやすいのは、「探してほしかった物が見つからない」「残すはずの物が捨てられた」「貴重品はどうなったのか」の3つです。作業の前に聞き取り、当日に記録し、最後にご依頼者と一緒に確かめると防げます。
  • チェックリストに法令で決まった様式はありません。ただ、捨てる物は一般廃棄物の収集運搬の許可のある業者か市町村へ、買い取る物は古物商の許可で扱う決まりがあり、処分の行き先を残しておくと説明できます。
  • 作業の前8項目・当日9項目のチェック、貴重品・形見と処分の行き先の一覧、作業完了の確認とサインの欄をそろえたエクセル(記入例のシートつき・済んだ数と貴重品の件数は式で出る)とPDFを、無料で配っています。会員登録はいりません。

遺品整理・生前整理を請け負う会社や個人事業主の方が、見積もりの打ち合わせから作業の当日、ご依頼者への引渡しまでに確かめることをまとめたチェックリストです。エクセル(xlsx)とPDFを用意しました。1枚目が作業の前と当日のチェック、2枚目が貴重品・形見と処分の行き先の一覧と、作業完了の確認の欄です。

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遺品整理のチェックリストの記入例の1枚目。ご依頼者は◯◯様(ご家族)、作業日2026年7月10日、物件は戸建(持ち家)の1部屋(居間・和室)。作業の前の8項目は、相続人の同意・探してほしい物の聞き取り・残す物の印・見積書・作業日と鍵・電気ガス水道を止める日・近所へのあいさつに印と確認した日とメモが入り、賃貸の項目は持ち家のため対象外の印。済んだ数は7/7。作業の当日の9項目は、作業前の写真・貴重品を探して記録・大事な書類を封のまま渡す・形見を分ける・買取と処分と危ない物の仕分け・供養・許可業者への処分・清掃と作業後の写真に印があり、家電リサイクルの項目は対象外。済んだ数は8/8
記入例の1枚目(戸建ての居間1部屋の遺品整理・架空)。名前・住所・会社名は ◯◯ にしています。

チェックリストに入れること

遺品整理のチェックリストは、作業の順に3つのまとまりで組むと抜けが出にくくなります。

まとまり確かめること
作業の前だれの依頼か(相続人の同意)、探してほしい物、残す物、見積もりの範囲、作業日と立会いと鍵、退去と公共料金、近所と車
作業の当日作業前の写真、貴重品と大事な書類、形見、買取・処分・危ない物の仕分け、家電リサイクル、供養、作業後の写真
引渡しと完了貴重品・形見と処分の行き先の一覧、ご依頼者が確かめた項目、鍵の返却、サイン

テンプレートでは、済んだ項目に ✓、その案件に当てはまらない項目に —(理由はメモに)を付けます。エクセル版は、まとまりごとに「済んだ数/確かめる項目の数(— を除く)」が式で出るので、残っている項目がひと目で分かります。

作業の前に確かめること

打ち合わせの段階で聞いておくと、当日の行き違いがぐっと減ります。

項目確かめ方の例
相続人の同意ご依頼者のほかに相続人(ご兄弟など)がいるときは、整理を始めることに皆さんが同意しているかを、ご依頼者から確かめておく
探してほしい物遺言書・預金通帳・印鑑・権利書・保険証券・年金の書類・写真など。「どこにありそうか」も聞いておく
残す物・形見分け残す物に付箋や紙で印を付けてもらう。色を決めておくと作業する人の間で迷わない
見積書作業の範囲(部屋・物置・庭)と、追加の費用がかかる場合(量が見積もりより多い・特殊な処分)を書いて渡す
作業日・立会い・鍵当日に立ち会う方と、立ち会えない時の連絡のとり方、鍵を預かるか
退去と公共料金賃貸なら退去の日と、管理会社・大家さんへの連絡。電気・ガス・水道・電話を止める日
近所と車近所へのあいさつ、トラックを止める場所、集合住宅なら共用部の養生とエレベーター

作業の当日に確かめること

当日は「探す → 分ける → 運び出す → きれいにする」の順に、写真と記録を残しながら進めます。

  1. 作業前の写真: 部屋ごとに全体と、家財の量が分かる写真を撮る
  2. 貴重品を探す: 現金・通帳・印鑑・権利書・有価証券・貴金属は、見つけた場所と一緒に記録する。できればご依頼者の立会いで確かめる
  3. 大事な書類: 遺言書や契約書は、封を開けずにご依頼者へ渡す(中を見ない)
  4. 形見・思い出の品: 写真・手紙・アルバムは、捨てる物と混ざらないよう先に分ける
  5. 仕分け: 買い取る物・リサイクルする物・捨てる物・危ない物(スプレー缶・電池・灯油・塗料)に分ける
  6. 家電リサイクル: エアコン・テレビ・冷蔵庫と冷凍庫・洗濯機と衣類乾燥機は、ほかのごみと分けてリサイクルに出す
  7. 供養: 仏壇・神棚・人形など、供養してほしい物をご依頼者に確かめる
  8. 搬出と処分: 捨てる物は、許可のある業者か市町村の収集に出す
  9. 作業後: 清掃のあと、作業前と同じ向きで作業後の写真を撮る

貴重品・形見と処分の行き先の書き方

テンプレートの2枚目は、見つけた物と、運び出した物の行き先の一覧です。1つの品か、ひとまとめ(「食器・調理器具 一式」など)を1行に書きます。

欄書くこと
分類貴重品・形見・遺品・買取・リサイクル・廃棄(一般)・廃棄(産業廃棄物)・供養品・その他から選ぶ
品名・数量「現金・預金通帳・印鑑 一式」「アルバム・手紙 一式」のように。通帳は冊数まで書くと照らしやすい
見つけた場所「居間のたんす上段」のように、部屋と家具まで
引渡し先・処分先「ご家族へその場で返却」「◯◯リユース(買取)」「◯◯市の許可業者へ」「◯◯(合同供養)」

エクセル版は、分類で「貴重品」と「形見・遺品」を選んだ行を数えて、ご依頼者へ渡す件数を出します。引渡しのときに、この件数と実物をご依頼者と一緒に照らしてください。

記入例の2枚目。貴重品・形見と、買取・処分・供養の行き先の一覧に6行。貴重品の現金・預金通帳・印鑑は居間のたんす上段で見つけてご家族へその場で返却、形見・遺品のアルバム・手紙は居間の書棚でご家族へお渡し、買取・リサイクルの食器・調理器具は◯◯リユース、供養品の仏具一式は合同供養、廃棄・一般の家具・生活用品は◯◯市の許可業者へ、廃棄・産業廃棄物の塗料・スプレー缶は許可業者へ搬入。貴重品・形見の件数は2件。作業完了の確認の5項目すべてにチェック、ご依頼者のサインと確認した日、作業責任者の欄
記入例の2枚目(貴重品・形見と処分の行き先・作業完了の確認)。

作業完了の確認とサイン

作業が終わったら、ご依頼者に部屋を見てもらい、次の5つを一緒に確かめてからサインをもらいます。テンプレートの2枚目には、この5つのチェックの欄があります。

  • 貴重品・形見を、一覧と照らして受け取った
  • 作業後の部屋を見て、残す物が残っていることを確かめた
  • 買取・処分・供養の行き先の説明を受けた
  • 作業前後の写真を見せてもらった
  • 預けていた鍵を受け取った

サインは、ご依頼者が引渡しの中身を確かめたという印です。あとでほかのご家族から「あの品はどうなったのか」と聞かれたときに、同じ一覧で答えられます。チェックリストは写しをご依頼者に渡し、作業する側も控えを残しておきます。ご依頼者が遠方で立ち会えないときは、写真と一覧を先に送って確かめてもらい、確認した日と方法をメモに書いておきます。

法令の根拠

遺品整理のチェックリストには、法令で決まった様式はありません。このテンプレートの項目は、作業の流れとご依頼者への説明に合わせて組んだものです。そのうえで、作業の中には次の決まりがかかわります。

かかわる場面決まり
捨てる物を運ぶ一般廃棄物の収集・運搬を仕事として行うには、その区域の市町村長の許可が要る(廃棄物処理法 第7条第1項)
品物を買い取る古物の売買を仕事として行うには、都道府県公安委員会の許可が要る(古物営業法 第3条)
遺言書が出てきた封印のある遺言書は、家庭裁判所で相続人などの立会いのもとで開ける(民法 第1004条第3項)
家電を処分するエアコン・テレビ・冷蔵庫と冷凍庫・洗濯機と衣類乾燥機は、家電リサイクル法の対象の機器(特定家庭用機器再商品化法 施行令 第1条)

自社で許可を持っていない作業(捨てる物の運搬など)は、許可のある業者に頼む形になります。どの業者に渡したかを「引渡し先・処分先」の欄に書いておくと、ご依頼者に処分の行き先を説明できます。

遺品整理レポートのアプリでできること

「遺品整理レポート」は、遺品整理の作業報告書を現場のスマホで作るアプリです。部屋ごとに、作業前・貴重品と形見・作業中と分別搬出・作業後の段階に沿って写真を撮り、見つけた品を物品台帳に記録すると、ご依頼者に渡す報告書のPDFになります。物品台帳の分類(貴重品・形見・遺品・買取・リサイクル・廃棄・供養品)は、このテンプレートの2枚目と同じです。

遺品整理レポートで作った作業報告書のPDF。表紙に依頼者○○様、物件住所、物件種別は戸建、作業日2026年7月10日、作業責任者、立会者○○様(ご家族)、部屋数1、物品件数6、写真枚数8。特記事項に、戸建て1階・居間(和室)の遺品整理で貴重品はご家族立会いのうえ確認し当日その場でお渡ししたこと。物品台帳に、貴重品の現金・預金通帳・印鑑、形見・遺品のアルバム・手紙、買取・リサイクルの食器・調理器具、廃棄の家具・生活用品と塗料・スプレー缶、供養品の仏具一式と、発見場所と引渡し・処分先。その下にお客様控え版の貴重品・形見の記録のページと写真
遺品整理レポートで作ったPDF(アプリの見本の架空のデータ)。上が詳細版の表紙と物品台帳、下がお客様控え版の貴重品・形見の記録のページです。

PDFは、シンプル版・詳細版・お客様控え版の3種類から選べます。Pro版のお客様控え版には、貴重品・形見の記録のページと、立会者の署名の欄が入ります。作業の前と当日のチェックの項目は、アプリにはありません。打ち合わせの確認はこのテンプレートの1枚目で、写真と物品の記録はアプリで、と分けて使えます。無料版とPro版の違いは紹介ページにまとめています。

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よくあるご質問

Q. 遺品整理のチェックリストは、ご依頼者向けと業者向けで違いますか? A. このテンプレートは業者向けで、打ち合わせから引渡しまでに作業する側が確かめることを並べています。ご依頼者に渡すのは、2枚目の貴重品・形見と処分の行き先の一覧と、作業完了の確認の欄です。

Q. 探してほしい物が見つからなかったときは、どう書けばよいですか? A. 1枚目のその項目のメモに「通帳1冊 見つからず」のように書き、ご依頼者に伝えた日も残します。探した場所を書いておくと、あとで別の所から出てきたときにも説明がつきます。

Q. 遺言書が出てきたら、中を見てもよいですか? A. 開けずに、そのままご依頼者へ渡してください。封印のある遺言書は、家庭裁判所で相続人の立会いのもとで開けることになっています(民法 第1004条第3項)。テンプレートでは「封を開けずにご依頼者へ渡した」を当日の項目に入れています。

Q. ご依頼者が立ち会えないときは、どうすればよいですか? A. 鍵の受け渡しの方法と連絡のとり方を作業の前に決め、貴重品が見つかったら写真を送って確かめてもらいます。完了の確認は、写真と一覧を送って返事をもらい、確認した日と方法をメモに書いておきます。

Q. 生前整理にも使えますか? A. 使えます。相続人の同意の項目は「当てはまらない(—)」にして、ご本人と残す物・譲る物を決めながら進めてください。

Q. テンプレートの利用に条件はありますか? A. ありません。商用・非商用を問わず、自由に書き換えて使ってください。項目を足したり減らしたり、社名やロゴ、料金の欄を入れたりしてもかまいません。クレジット表記も不要です。

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条文は2026年10月30日に e-Gov 法令検索で確かめた内容です。遺品整理のチェックリストには、法令で決まった様式はありません。この記入例とテンプレートは、書き方を示すためのものです。