無料の害虫駆除 作業報告書のテンプレート(エクセル)

このページの要点

  • 害虫駆除の作業報告書は、どこに・何が・どれくらいいて、何をどれだけ使って施工したかをお客様に渡す記録です。生息の調査、施工の方法と薬剤(名前・希釈・使用量)、トラップの捕獲数、写真をまとめます。
  • 保管期間は建物で変わります。飲食店などの食品の営業者は、年2回以上の駆除の記録を1年間(食品衛生法 施行規則 別表第十七)、特定建築物は、6か月以内ごとの調査を含む帳簿書類を5年間(建築物衛生法 施行規則 第4条の5・第20条)残します。
  • 調査・施工・トラップの欄をそろえたエクセルのテンプレート(記入例のシートつき・法令の区分を選ぶと次回の目安と保存の目安の日付が式で出る)とPDFを、無料で配っています。会員登録はいりません。

害虫駆除・ねずみの防除を請け負う会社や個人事業主の方が、作業のあとにお客様(飲食店の店長・ビルの管理者など)へ渡す報告書のテンプレートです。エクセル(xlsx)とPDFを用意しました。1枚目が生息の調査と施工の内容・使った薬剤、2枚目がトラップの捕獲数・写真の一覧・次回の目安と保存・所見とお願い・確認の欄です。

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害虫駆除の作業報告書の記入例の1枚目。施設名は◯◯食堂、作業日2026年7月10日、作業時間14時30分から17時(休憩時間)、法令の区分は飲食店(食品衛生法)。生息の調査は厨房のコンロ下・シンク裏がゴキブリ中程度(フン・卵鞘・成虫を目視、壁ぎわのすき間と段ボールの持ち込み)、客席が少ない、床下・配管まわりがネズミ少ない(フン・かじり跡、配管の貫通部のすき間約3cm)、食品庫はなし。施工はベイト剤の設置8か所と4か所、残留噴霧用の乳剤100倍を2L、粘着トラップ4枚、侵入口の封鎖を金網とパテで1か所。設置数の合計16
記入例の1枚目(飲食店の定期の防除・架空)。施設名・住所・名前は ◯◯ にしています。

報告書に書くこと

害虫駆除の作業報告書に、法令で決まった様式はありません。ただ、渡す相手が「なぜこの作業が要ったのか」「何を使ったのか」をあとから確かめられ、保健所の立入りやビルの帳簿の確認で見せられるように、次の5つがそろっていると困りません。

まとまり書くこと
生息の調査場所ごとに、対象の害虫・生息の程度・見つけたもの(フン・かじり跡など)・侵入経路
施工の内容場所・対象・施工の方法(ベイト・残留噴霧・トラップ・封鎖など)
使った薬剤薬剤名・希釈の倍率・使用量、トラップやベイトの設置数
トラップの捕獲数置いた場所の番号ごとの捕獲数。次回と比べる元になる
写真と確認写真の番号と段階、所見とお願い、作業責任者とお客様の確認

欄ごとの書き方

欄書くこと
施設名・所在地お店や建物の名前と住所
ご依頼者作業を頼んだ方(店長・管理会社の担当者など)
作業日・作業時間作業した日と時間。飲食店なら休憩時間や閉店後など、お店が止まっている時間を書いておく
建物の種類・法令の区分飲食店・事務所ビル・住宅など。法令の区分は「一般」「飲食店(食品衛生法)」「特定建築物(建築物衛生法)」から選ぶ
作業会社・責任者・作業者自社の名前、責任者、作業した人と人数
生息の調査場所ごとに1行。生息の程度は「なし・少ない・中程度・多い」から。見つけたものと、侵入経路や原因
施工の内容と使った薬剤場所・対象・施工の方法・薬剤名・希釈・使用量・設置数を1行ずつ。薬剤を使わない作業(封鎖など)は資材を書く
トラップの捕獲数トラップに番号(T1・T2…)を振り、置いた場所・種類・対象・捕獲数。次回は同じ番号で比べる
写真の一覧写真の番号・段階(施工前・被害の証拠・生息調査・施工中・トラップ・施工後・全体)・写っているもの
次回の目安・記録の保存法令の区分から決まる次回の目安と、記録を残しておく期限
所見・お願い施工で分かったことと、お客様にしてほしいこと(片付け・すき間・食品の置き方など)
確認作業責任者、確認したお客様、報告書を出した日

エクセル版は、設置数と捕獲数の合計が式で出ます。作業日と法令の区分を入れると、2枚目の「次回の目安」に6か月後の日付、「記録の保存の目安」に1年後(飲食店)か5年後(特定建築物)の日付が入ります。「一般」を選んだときは空欄のままなので、お客様と決めた次回の予定を手で書いてください。

薬剤名・希釈・使用量の書き方

薬剤の欄は、お客様があとで「何をまいたのか」を確かめられるように書きます。

欄書き方
施工の方法ベイト剤の設置・残留噴霧・燻煙・粘着トラップ・侵入口の封鎖など、何をしたか
薬剤名・資材使った薬剤の名前をそのまま。封鎖なら金網・パテなどの資材
希釈水で薄めて使う薬剤は倍率(100倍など)。そのまま使うものは「—」
使用量まいた量(2L など)か、置いた数(8か所・4枚など)
設置数トラップやベイトを置いた数。捕獲数の表の番号と数をそろえる

記入例は、薬剤名を「ベイト剤(ゴキブリ用)」「残留噴霧用の乳剤」のような種類の名前にしていますが、実際の報告書には製品の名前を書きます。特定建築物で殺そ剤や殺虫剤を使うときは、医薬品か医薬部外品として承認を受けたものを使う決まりがあります(建築物衛生法 施行規則 第4条の5第2項第2号)。

被害の証拠と作業前後の写真

害虫駆除の報告書でいちばん伝わるのは、施工が要った理由が分かる1枚です。少なくとも次の写真があると、お客様が作業の流れを追えます。

  1. 施工前の全体: 作業する場所の様子
  2. 被害の証拠: フン・死骸・かじり跡・卵鞘など。何がどこにいたのかが分かるように近くで
  3. 侵入経路: 配管のすき間・壁ぎわのすき間など、入ってきた所
  4. 施工中: ベイト剤を置いた所、トラップを置いた所
  5. 施工後: 封鎖したすき間、片付けたあとの全体

写真の番号を写真の一覧と所見でそろえておくと、「写真2のフンがあった所にベイトを置いた」のように、文と写真をつなげて説明できます。飲食店のお客様に渡すときは、生々しい写真ばかりが最初に並ばないよう、全体の写真を先に置くと読みやすくなります。

記入例の2枚目。トラップの捕獲数は厨房コンロ下5、シンク裏3、客席レジ下2(いずれもゴキブリ)、床下配管の貫通部1(ネズミ)で合計11、前回との比べは初回。写真の一覧は1から7まで、施工前・被害の証拠・生息調査・施工中・トラップ・施工後・全体。次回の目安は2027年1月10日まで(年2回以上)、記録の保存の目安は2027年7月10日まで(1年間)。所見・お願いと確認の欄
記入例の2枚目(トラップ・写真・次回の目安と保存・確認)。

次回の予定と保管期間

駆除の回数と記録の保管期間は、建物がどれに当たるかで決まりが変わります。

建物回数記録
飲食店など(食品を扱う営業)1年に2回以上の駆除作業実施記録を1年間保存
特定建築物(一定の大きさ以上の事務所・店舗などの建物)6か月以内ごとに1回、定期に統一的に調査し、結果に基づいて必要な措置帳簿書類として5年間保存
一般の住宅など決まりなし決まりなし(お客様と決めた予定を書く)

飲食店などの決まりには、発生場所・生息場所・侵入経路・被害の状況を定期に統一的に調べ、その結果に基づいて必要な措置をとるなどで目的を果たせる方法であれば、施設に合わせた方法と回数で行ってよい、という但し書きもあります。調べた結果を残しておくと、その説明にも使えます。

保管するのは、お店や建物の側です。作業する側も、控えを同じ期間残しておくと、お問い合わせや次回の比べに役立ちます。報告書に「次回の目安」を書いておくと、お客様が予定を組みやすくなり、次の依頼にもつながります。

法令の根拠

  • 飲食店などのねずみ・昆虫の対策: 食品衛生法 施行規則 別表第十七(第六十六条の二第一項関係)の第五号ロは、1年に2回以上ねずみと昆虫の駆除作業を行い、その実施記録を1年間保存することを定めています。ただし、発生場所・生息場所・侵入経路・被害の状況を定期に統一的に調べ、結果に基づいて必要な措置をとるなどで目的を果たせる方法であれば、施設の状況に応じた方法と頻度で行えます。
  • 特定建築物のねずみ等の防除: 建築物衛生法 施行規則 第4条の5の第2項は、ねずみ等の発生場所・生息場所・侵入経路と被害の状況を6か月以内ごとに1回、定期に統一的に調べ、その結果に基づいて必要な措置をとること(第1号)、殺そ剤や殺虫剤を使うときは医薬品か医薬部外品として承認を受けたものを使うこと(第2号)を定めています。
  • 帳簿書類の保存: 同 施行規則 第20条は、ねずみ等の防除の状況などを書いた帳簿書類を備え、5年間保存することを定めています。

害虫駆除レポートのアプリでできること

「害虫駆除レポート」は、害虫駆除・防除の作業報告書を、現場のスマホで作るアプリです。案件ごとに対象(場所 × 害虫)を分け、施工前・被害の証拠・生息調査・施工中・トラップ・施工後・全体の7つの段階に沿って写真を撮ると、表紙と施工対象の一覧つきの報告書のPDFになります。対象ごとに施工の方法・薬剤名・希釈・使用量・トラップの設置数と捕獲数を書けて、次回の予定も表紙に入ります。

害虫駆除レポートで作った作業報告書(詳細版)のPDF。表紙にお客様○○様、施工先、連絡先、建物種別は飲食店、施工日2026年7月10日、担当者、対象数2、写真枚数6、次回予定。特記事項に飲食店の定期防除(年2回)。施工対象一覧は厨房のゴキブリ(ベイト剤の設置・残留噴霧・設置数8)と床下・配管まわりのネズミ(粘着トラップ・侵入口の封鎖・設置数4)。その下に対象1 厨房の使用薬剤と使用量の欄
害虫駆除レポートで作った詳細版のPDF(アプリの見本の架空のデータ)。表紙と、対象ごとの薬剤の欄です。

PDFは、シンプル版・詳細版・お客様控え版の3種類から選べます。お客様控え版では、法令の区分(飲食店・特定建築物)に合わせて、実施記録として残せることを書いた一文が入ります。生息の程度を場所ごとに並べた調査の表と、お客様の確認の署名の欄はアプリにはありません。調査で分かったことは対象のメモと特記事項に書く形です。紙の様式に合わせたいときは、このテンプレートと組み合わせてください。無料版とPro版の違いは紹介ページにまとめています。

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よくあるご質問

Q. 害虫駆除の報告書の保管期間は何年ですか? A. 飲食店などの食品の営業者は、駆除作業の実施記録を1年間保存することになっています(食品衛生法 施行規則 別表第十七 第五号ロ)。特定建築物は、ねずみ等の防除の状況を書いた帳簿書類を5年間保存します(建築物衛生法 施行規則 第20条第2項)。一般の住宅などには決まりはありませんが、保証や次回の作業のために控えを残しておくと安心です。

Q. 作業報告書には何を書けばよいですか? A. 法令の決まった様式はありません。生息の調査(場所・対象・程度・侵入経路)、施工の方法と使った薬剤(名前・希釈・使用量)、トラップの設置数と捕獲数、写真、所見とお願い、確認の署名がそろっていれば、お客様にも保健所の立入りにも説明しやすくなります。

Q. 飲食店は必ず年2回駆除しないといけませんか? A. 決まりは「1年に2回以上の駆除作業と記録の1年間の保存」です。ただし、発生場所や侵入経路などを定期に統一的に調べ、その結果に基づいて必要な措置をとるなどで目的を果たせるなら、施設に合わせた方法と回数で行えるという但し書きがあります。どちらで行うかはお店と相談し、調べた結果も報告書に残しておきます。

Q. ネズミとゴキブリを1枚の報告書にまとめてよいですか? A. 同じ日に同じ建物で作業したなら、1枚にまとめてかまいません。調査と施工の表で、行ごとに対象を分けて書きます。トラップも番号ごとに対象を書いておくと、次回の比べが楽になります。

Q. 薬剤名は製品の名前を書くべきですか? A. はい。お客様があとから何を使ったかを確かめられるよう、製品の名前・希釈の倍率・使用量をそのまま書きます。食品を扱う場所では、薬剤が食品や器具にかからないよう気をつけたことも所見に書いておくと伝わります。

Q. テンプレートの利用に条件はありますか? A. ありません。商用・非商用を問わず、自由に書き換えて使ってください。場所や対象の行を足したり減らしたり、社名やロゴ、防除業の登録番号を入れたりしてもかまいません。クレジット表記も不要です。

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条文は2026年10月30日に e-Gov 法令検索で確かめた内容です(食品衛生法 施行規則 別表第十七、建築物衛生法 施行規則 第4条の5・第20条)。建物が特定建築物に当たるか、自治体の独自の決まりがあるかは、建物のある市区町村や保健所に確かめてください。