無料の貯水槽清掃 報告書のテンプレート(エクセル)

このページの要点

  • 貯水槽清掃の報告書は、受水槽・高置水槽を清掃した日に、何をしたか・水がどうだったかを、建物の管理者に渡す記録です。作業の工程、消毒、作業の前と後の水質(色・濁り・臭い・味・残留塩素)、付帯設備の点検、写真を1つにまとめます。
  • 特定建築物の貯水槽は1年以内ごとに1回の清掃が決まっていて、その記録は帳簿書類として5年間保存します(建築物衛生法 施行規則 第4条・第20条)。簡易専用水道(水槽の有効容量の合計が10m3を超えるもの)も毎年1回以上の清掃が決まりです(水道法 施行規則 第55条)。
  • 工程・水質・付帯設備の欄をそろえたエクセルのテンプレート(記入例のシートつき・残留塩素の判定と次回の目安の日付は式で出る)とPDFを、無料で配っています。会員登録はいりません。

ビルメンテナンスや給排水の設備の会社、貯水槽の清掃を請け負う個人事業主の方が、清掃のあとに建物の管理者へ出す報告書のテンプレートです。エクセル(xlsx)とPDFを用意しました。1枚目が水槽・作業の工程・消毒・水質の確認、2枚目が付帯設備の点検・写真の一覧・所見と申し送り・確認の欄です。

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貯水槽清掃の報告書の記入例の1枚目。物件名は◯◯ビル、作業日2026年7月2日、断水の時間9時から14時。水槽は1階機械室の受水槽20m3と屋上の高置水槽5m3で、有効容量の合計25m3。作業の工程は作業前の水質の確認から張り込み・給水の再開、作業後の水質の確認まで11行で、すべて済と時刻。消毒剤は次亜塩素酸ナトリウム、50から100mg/L、30分×2回。水質の確認は作業前・作業後とも色・濁り・臭い・味が異常なし、残留塩素は作業前0.3、作業後0.4mg/L。次回の清掃の目安は2027年7月2日まで
記入例の1枚目(事務所ビルの受水槽と高置水槽・架空)。物件名・住所・名前は ◯◯ にしています。

報告書に書くこと

貯水槽の清掃の報告書に、法令の決まった様式はありません。ただ、渡す相手(建物の管理者や管理会社)が、あとで帳簿として見返したり、保健所の立入検査や簡易専用水道の検査で見せたりするので、次の5つがそろっていると困りません。

まとまり書くこと
水槽どの水槽を(受水槽・高置水槽)・どこにある・材質・有効容量・槽の数
作業の工程排水・沈殿物の除去・洗浄・消毒・張り込みを、実施したかと時刻
消毒消毒剤の名前・濃度・時間・回数
水質の確認作業の前と後の、給水栓での色・濁り・臭い・味・残留塩素
付帯設備と写真マンホール・防虫網・ボールタップなどの点検の結果と、写真の番号

欄ごとの書き方

欄書くこと
物件名・所在地建物の名前と住所
ご依頼者清掃を頼んだ管理会社・建物の持ち主と担当の方
作業日・断水の時間清掃した日と、水を止めていた時間。利用者への周知の時間と合わせて書く
作業会社・作業責任者・作業者自社の名前、責任者、作業した人と人数
水槽受水槽・高置水槽を1行ずつ。設置場所(1階 機械室・屋上など)、材質(FRP・鋼板・ステンレスなど)、有効容量(m3)、槽の数(1槽・2槽)
作業の工程11の工程ごとに「済」か「—」(しなかった)と時刻。内容の欄に、使った道具や気づいたこと(沈殿物が多い・付着物があったなど)
消毒消毒剤の名前と濃度、1回の時間と回数
水質の確認作業前・作業後の色・濁り・臭い・味(異常なし/異常あり)と残留塩素の値(mg/L)
測った場所・時刻水を採った給水栓(1階 給湯室など)と、測った時刻
付帯設備の点検8つの所の結果(良/要注意/不良/対象外)と、要注意・不良のときの所見
写真の一覧写真の番号、工程、写っているもの
所見・申し送り次の清掃までに直したほうがよいこと、管理者に伝えたいこと
確認作業責任者、確認した建物の管理者、報告書を出した日

エクセル版は、水槽の有効容量を書くと合計と「10m3 を超えるかどうか」が出て、作業後の残留塩素を書くと「0.1mg/L 以上か」が出ます。作業日を書くと、1年後の日付が「次回の清掃の目安」に入ります。

残留塩素・色・濁り・臭い・味の書き方

水質は、貯水槽の中ではなく、給水栓(蛇口)の水で確かめます。決まりが給水栓の水について書いてあるからです。作業の前に一度、張り込んで給水を戻したあとにもう一度、同じ給水栓で測ると、前後を比べられます。

項目書き方
色・濁りコップや白い容器に取って見る。いつもと違えば「異常あり」
臭い・味塩素の臭い以外の臭いや、いつもと違う味がしないか
残留塩素遊離残留塩素の値を mg/L で。小数第1位まで(0.4 など)

遊離残留塩素は、給水栓の水で 0.1mg/L 以上を保つことになっています(建築物衛生法 施行規則 第4条第1項第1号)。作業後の値がこれより低いときは、そのまま給水を戻さず、原因を調べて消毒や測り直しをし、その経過を所見に書きます。色・濁り・臭い・味に異常があれば、水質の検査が要ります(同 第5号)。

消毒剤の濃度と時間は、仕様書と消毒剤の説明書に合わせます。記入例は「次亜塩素酸ナトリウム 50〜100mg/L・30分×2回」と書いていますが、これは書き方の例で、決まった値として示したものではありません。

作業の前と後の写真

報告書の写真は、清掃した効果を管理者に伝えるためのものです。少なくとも次の4枚があると、作業の流れが分かります。

  1. 清掃前の槽内: 底の沈殿物や壁の付着物が分かるように
  2. 洗浄の途中: 底・壁を洗っているところ、取り出した沈殿物
  3. 清掃後の槽内: 同じ向きから撮ると、前と後を並べて見比べられます
  4. 給水栓での水質の確認: 測っている様子か、測定器の表示

付帯設備に要注意・不良があったときは、その場所の写真も残し、写真の一覧の番号と付帯設備の所見をそろえておきます。

付帯設備の点検

清掃のついでに、水が汚れる原因になる所を見ておきます。テンプレートには次の8つを並べました。

  • マンホール(ふた・施錠・パッキン)
  • 通気管・オーバーフロー管の防虫網
  • オーバーフロー管・排水口のすき間
  • ボールタップ・定水位弁
  • 電極棒・満水と減水の警報
  • 揚水ポンプ(音・振動・漏れ)
  • 槽の外面(ひび・漏れ・さび)
  • 槽のまわり(物を置いていない・水たまり)

記入例では、高置水槽の通気管の防虫網に小さな破れがあり「要注意」として、応急でふさいだことと交換をすすめることを書いています。直すかどうかは建物の側が決めることなので、見つけたことと、すすめることを分けて書くと伝わりやすくなります。

記入例の2枚目。付帯設備の点検は8つの所のうち、通気管・オーバーフロー管の防虫網が要注意(高置水槽の通気管の防虫網に小さな破れ、応急でふさいだ、交換をおすすめします)、ほかは良。写真の一覧は1から8まで、作業前・洗浄・消毒・作業後・付帯設備。所見・申し送り、確認の欄に作業責任者・確認者(建物の管理者)・報告書の提出日2026年7月3日
記入例の2枚目(付帯設備・写真・確認)。

次回の清掃の予定と保存期間

清掃の回数と記録の保存は、建物がどちらに当たるかで決まりが変わります。

建物清掃の回数記録
特定建築物(一定の大きさ以上の事務所・店舗などの建物)1年以内ごとに1回帳簿書類として5年間保存
簡易専用水道(水道の水だけを受ける水槽で、有効容量の合計が10m3を超えるもの)毎年1回以上毎年1回以上、登録を受けた機関などの検査を受ける

特定建築物では、遊離残留塩素の検査も 7日以内ごとに1回 行うことになっています(建築物衛生法 施行規則 第4条第1項第7号)。清掃の日の値だけでなく、ふだんの測定の記録も一緒に綴じておくと、帳簿として見返しやすくなります。

有効容量の合計が10m3以下の水槽は、水道法の簡易専用水道には当たりません。ただ、自治体によっては独自の決まりで管理を求めていることがあるので、建物のある市区町村に確かめてください。

報告書には「次回の清掃の目安」を書いておくと、建物の側が予定を組みやすくなり、清掃する側も次の依頼につなげやすくなります。

法令の根拠

  • 特定建築物の飲料水: 建築物衛生法 施行規則 第4条は、給水栓の水の遊離残留塩素を 0.1mg/L 以上に保つこと(第1項第1号)、給水栓の水の色・濁り・臭い・味などに異常を認めたときは水質の検査を行うこと(同 第5号)、遊離残留塩素の検査と貯水槽の清掃を、それぞれ7日以内・1年以内ごとに1回、定期に行うこと(同 第7号)を定めています。
  • 帳簿書類の保存: 同 施行規則 第20条は、給水の管理などの状況(測定や検査の結果、設備の点検と整備の状況を含む)を書いた帳簿書類を備え、5年間保存することを定めています。
  • 簡易専用水道とは: 水道法 第3条第7項と水道法施行令 第2条により、水道から受ける水だけを水源とし、水を受けるための水槽の有効容量の合計が10m3を超えるものが簡易専用水道です。
  • 簡易専用水道の管理と検査: 水道法 第34条の2は、設置者が基準に従って管理し、定期に検査を受けることを定めています。基準は水道法 施行規則 第55条で、水槽の掃除を毎年1回以上定期に行うこと(第1号)などです。検査は同 第56条で毎年1回以上です。

衛生設備清掃レポートのアプリでできること

「衛生設備清掃レポート」は、貯水槽・グリストラップ・排水管の清掃の報告書を、現場のスマホで作るアプリです。貯水槽では、清掃前槽内・排水と洗浄・消毒・水質確認・清掃後槽内・外観と付帯設備の6つのタブに沿って写真を撮り、水槽の種別・容量・断水の時間・使った消毒剤と、作業の前後の水質(色・濁り・臭い・味・残留塩素)を入れると、表つきの報告書のPDFになります。次回の推奨の清掃日も、年1回の目安から選べます。

衛生設備清掃レポートで作った貯水槽清掃の報告書(詳細版)のPDF。設備1、1F受水槽、6枚。作業内容は槽内清掃・沈殿物除去・2回消毒、水槽は受水槽20m3、断水時間9時から14時、使用消毒剤は次亜塩素酸ナトリウム、次回推奨日2027年7月2日、所見。その下に水質確認(給水栓末端)の表で、作業前・作業後とも色・濁り・臭い・味は異常なし、残留塩素は0.3と0.4mg/L。清掃前の槽内の写真
衛生設備清掃レポートで作った詳細版のPDF(架空のデータ)。水質の確認の表と、清掃前の槽内の写真のページです。

PDFは、シンプル版・詳細版・お客様控え版の3種類から選べます。工程ごとの時刻の表、付帯設備の点検の結果の欄、確認の署名の欄はアプリにはありません。付帯設備は「外観・付帯設備」のタブの写真とコメント、気づいたことは所見の欄に書く形です。紙の様式に合わせたいときは、このテンプレートと組み合わせてください。無料版とPro版の違いは紹介ページにまとめています。

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よくあるご質問

Q. 報告書の保存期間は何年ですか? A. 特定建築物では、給水の管理の状況を書いた帳簿書類を5年間保存することになっています(建築物衛生法 施行規則 第20条第2項)。清掃の報告書はその記録に当たるので、建物の側で5年間残しておきます。清掃する側も、控えを同じ期間残しておくと問い合わせに答えやすくなります。

Q. 残留塩素は貯水槽の中で測ればいいですか? A. 決まりは給水栓の水についてのものなので、建物の中の蛇口の水で測ります。どの給水栓で測ったかも書いておくと、次の清掃のときに同じ所で比べられます。

Q. 受水槽と高置水槽は、1枚の報告書にまとめてよいですか? A. 同じ日に同じ建物で清掃したなら、1枚にまとめてかまいません。テンプレートの「水槽」の欄に1行ずつ書き、工程の内容や所見で「受水槽」「高置水槽」と分けて書きます。水質の確認は給水栓の水なので、建物で1組(作業前・作業後)になります。

Q. 作業後の残留塩素が 0.1mg/L に届きませんでした。 A. そのまま給水を戻さず、原因を調べて、消毒や測り直しをします。どうしたかと、測り直した値を所見に書いておきます。値が戻らないときは、建物の管理者に伝えて、どうするかを相談してください。

Q. 10m3以下の小さな受水槽でも報告書は要りますか? A. 水道法の簡易専用水道には当たらず、清掃の回数の決まりもかかりません。ただ、自治体によっては独自の決まりがあることと、清掃をしたことを依頼者に示す記録として役に立つので、同じテンプレートで残しておくことをおすすめします。

Q. テンプレートの利用に条件はありますか? A. ありません。商用・非商用を問わず、自由に書き換えて使ってください。付帯設備の行を建物に合わせて足したり減らしたり、社名やロゴを入れたりしてもかまいません。クレジット表記も不要です。

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条文は2026年10月28日に e-Gov 法令検索で確かめた内容です(建築物衛生法 施行規則 第4条・第20条、水道法 第3条・第34条の2、水道法施行令 第2条、水道法 施行規則 第55条・第56条)。建物が特定建築物や簡易専用水道に当たるか、自治体の決まりがあるかは、建物のある市区町村や保健所に確かめてください。