型枠の数量の拾い方(拾い表つき)

このページの要点

  • 型枠の数量はコンクリートに触れる面の面積(㎡)で拾います。部位ごとに数える面が決まっていて、柱は側面、梁は側面と底面、スラブは底面、壁は両側の側面、基礎梁は側面です。
  • サッシや出入口などの開口は、1か所 0.5㎡ 以下なら差し引きません。部材どうしがつながる所は「先に拾った部材」から差し引くのが基本で、国土交通省の公共建築数量積算基準がこの考え方です。
  • エクセルの拾い表は、部位を選んで寸法と箇所数を入れると1箇所の型枠面積・部位ごとの合計・壁のセパの本数・コンパネの枚数の目安まで自動で出します。手書き用のPDFと記入例もあり、会員登録はいりません。

型枠の数量を図面から拾うための表です。エクセル(xlsx)とPDFを用意しました。エクセル版は1冊に「型枠の拾い表」と「記入例」のシートが入っていて、灰色の欄と下の合計は数式です。部位は一覧から選べます。

ダウンロード

型枠の数量拾い表の記入例。工事名・図面・作成日・作成者の欄の下に、No.・部位・符号・長さL・幅W・高さH・箇所数・開口の控除・型枠面積1箇所・型枠面積計・備考の表があり、基礎梁FG1とFG2、柱C1、梁G1とG2、スラブS1、壁W1〜W3の9行が書いてある。壁W1は出入口の3.78㎡を引いて25.44㎡
記入例の1枚目(鉄筋コンクリート造の平屋の倉庫・架空の数字)。工事名と作成者は ◯◯ にしています。
記入例の2枚目。壁のセパ・Pコンの表に W1〜W3 の3行(横ピッチ・縦ピッチ600mm、端あき150mm、W1は開口で6本引いて39本、W2は45本、W3は2箇所で60本)。その下の部位ごとの合計は、壁(両面)100.44㎡、スラブ20.62㎡、柱28.80㎡、梁25.20㎡、基礎梁32.40㎡、合計207.46㎡。セパ144本、Pコン288個、フォームタイ288本、ロス率10%でコンパネ3×6が138枚、4×8が77枚
記入例の2枚目(壁のセパ・Pコンと部位ごとの合計)。

型枠の数量とは(面積で拾う)

型枠の数量は、型枠がコンクリートに触れる面の面積(㎡)です。型枠の材料・手間の見積り、コンパネや桟木の手配、工程の目安はこの面積から出します。

公共建築数量積算基準では、型枠の数量は「コンクリートの各部分ごとに、原則として側面と底面の面積を計り、接続部の面積を差し引いた面積」とされています。普通の合板型枠・打放しの型枠・曲面の型枠のように、材料と工法が違えば分けて拾います。

数量には次の2つがあります。

数量中身
設計数量図面の寸法から求めた面積。切り無駄は入れない
所要数量定尺の材料の切り無駄や、施工でやむを得ず出る損耗を含んだ数量

拾い表の「型枠面積」は設計数量です。コンパネの枚数の目安は、そこにロス率を足して出しています。

拾い方の手順

  1. 図面をそろえる: 伏図(部材の配置)と軸組図、梁・柱のリスト、矩計図を手元に置きます。部材の断面の寸法・階高・スラブの厚さ・開口の大きさを読みます。
  2. 部材を順番に分ける: 基礎(基礎梁・布基礎)→ 柱 → 梁 → スラブ → 壁の順に拾います。積算基準もこの順で、つながる所は「先の部材」に「あとの部材」がつながるものとして数えます。
  3. 同じ形の部材をまとめる: 符号ごと(FG1・C1・G1・W1 など)に、同じ寸法の部材がいくつあるかを数えて箇所数にします。
  4. 1箇所の面積を出す: 部位ごとに決まった面の面積を出します(下の表)。開口があれば差し引きます。
  5. 箇所数を掛けて足す: 部位ごとに合計し、全部を足して型枠の総面積にします。面積は小数点以下第2位までにして、四捨五入します(積算基準の決まり)。
  6. 図面と見比べる: 拾い忘れの部材がないか、同じ面を2回数えていないかを見直します。とくに梁とスラブ・柱と梁のつながる所が重なりやすい所です。

部位ごとの数え方

拾い表の「部位」を選ぶと、次の式で1箇所の型枠面積を出します。L は長さ、W は幅、H は高さ(梁はせい)です。

部位数える面1箇所の式
柱側面(4面)(L+W)×2×H
梁側面と底面(W+H×2)×L
スラブ底面L×W−開口
壁(両面)両側の側面(L×H−開口)×2
壁(片面)片側の側面L×H−開口
基礎梁側面(両側)H×2×L
布基礎側面(両側)H×2×L
  • 柱: 柱の L と W には断面の2辺を入れます。高さは、積算基準では各階の床板の上面から上の階の床板の上面までです(最下階は基礎梁の上面から)。
  • 梁: 長さは柱と柱の間の内法です。梁の側面のうちスラブが付く所はスラブの型枠と重なるので、スラブが付く側はせいからスラブの厚さを引いた高さにします。外周の梁のように片側だけスラブが付く梁は、両側の高さの平均を H に入れるか、2行に分けて書きます。
  • スラブ: 梁に囲まれた内法の面積(底面)です。
  • 壁: 柱・梁・スラブに囲まれた内法の面積で、内側と外側の両方に型枠が付くので2倍にします。地下の外壁のように片側を山留めなどで受ける所は「壁(片面)」を選びます。
  • 基礎梁・布基礎: 側面だけを拾います。積算基準では、基礎梁の底面は必要があるときだけ、独立基礎・布基礎の上の斜面は勾配が 3/10 を超えるときだけ数えます。

拾い表の「その他」の行は用意していません。階段・庇・パラペットなどは、近い部位を選んで寸法を読み替えるか、備考に式を書いて面積を手で足してください。

開口とつながる所の扱い

  • 開口(サッシ・出入口・設備の穴): 建具などの内法の寸法で差し引きます。1か所の見付面積が 0.5㎡ 以下なら差し引きません(換気口・小さな穴は引かない)。開口の厚みの部分(見込み)の型枠は数えません。拾い表の「開口の控除」には、差し引く開口の面積の合計を片面で入れます(壁の両面は自動で2倍)。
  • つながる所: 梁とスラブ、基礎梁と底盤、同じ幅の柱と梁は、先に拾った部材の型枠からつながる所を差し引きます。それ以外のつながる所は、その面積が 1.0㎡ 以下なら差し引きません。たとえば厚さ 15cm・高さ 3m の壁が柱に付く所は 0.45㎡ なので、柱の型枠から引きません。

ここに書いた決まりは公共建築(国の庁舎など)の積算の基準です。民間の工事では、元請や会社ごとに数え方の決まりがあることもあるので、拾う前に確かめておくと数字が合わなくなりません。

計算の例(記入例の読み方)

記入例は、鉄筋コンクリート造の平屋の倉庫(柱の芯々 6.0m×4.0m・柱 500 角・梁 350×600・スラブの厚さ 150・基礎梁のせい 900)です。数字は書き方を見せるための架空のものです。

  • 基礎梁 FG1(長さ 5.5m・せい 0.9m・2箇所): 0.9×2×5.5=9.90㎡、2箇所で 19.80㎡。長さは柱と柱の間の内法(6.0−0.5)です。
  • 柱 C1(0.5×0.5・高さ 3.6m・4箇所): (0.5+0.5)×2×3.6=7.20㎡、4本で 28.80㎡。梁(幅 0.35m)は柱(0.5m)と幅が違い、つながる所は 0.35×0.6=0.21㎡ で 1.0㎡ 以下なので、柱から引きません。
  • 梁 G1(長さ 5.5m・幅 0.35m・2箇所): 外側の側面は 0.60m、スラブが付く内側は 0.60−0.15=0.45m なので、平均の 0.525m を H に入れます。(0.35+0.525×2)×5.5=7.70㎡、2箇所で 15.40㎡。
  • スラブ S1(梁の内側 5.65m×3.65m): 20.6225 を四捨五入して 20.62㎡。
  • 壁 W1(長さ 5.5m・高さ 3.0m・出入口 1.8m×2.1m): 出入口は 3.78㎡ で 0.5㎡ を超えるので引きます。(5.5×3.0−3.78)×2=25.44㎡。
  • 壁 W3(長さ 3.5m・2箇所・換気口 0.6m×0.6m): 換気口は 0.36㎡ で 0.5㎡ 以下なので引きません。3.5×3.0×2=21.00㎡、2箇所で 42.00㎡。

合計は、壁 100.44㎡・基礎梁 32.40㎡・柱 28.80㎡・梁 25.20㎡・スラブ 20.62㎡ で、型枠の総面積は 207.46㎡ です。

セパとPコンの本数

壁の型枠は、セパレーター(セパ)で両側の型枠の間隔を保ち、フォームタイで締めます。打放しの壁では、セパの両端にPコンを付けます。本数の目安は、壁の大きさとセパの間隔(ピッチ)から出します。

  • 横の本数=切り捨て((壁の長さ−端あき×2)÷横ピッチ)+1
  • 縦の本数=切り捨て((壁の高さ−端あき×2)÷縦ピッチ)+1
  • セパの本数=横の本数×縦の本数−開口の所で要らない本数
  • Pコン・フォームタイ=セパ×2(両面)

記入例の壁 W1(5.5m×3.0m・ピッチ 600mm・端あき 150mm)は、横が (5,500−300)÷600=8.66… → 8+1=9本、縦が (3,000−300)÷600=4.5 → 4+1=5本で、9×5=45本。出入口の所の6本を引いて 39本 です。

セパのピッチは、コンクリートを打つ速さ・スランプ・気温・打ち上がりの高さで決まる側圧と、型枠の強度の計算で決まります。拾い表の 600mm は書き方を見せるための値です。実際の割付は施工計画と型枠の割付図に合わせてください。

コンパネの枚数の目安

コンパネ(型枠用の合板)の枚数は、型枠の面積にロス率を足し、1枚の面積で割って切り上げます。

  • 3×6(910×1,820mm)=1枚 1.6562㎡
  • 4×8(1,220×2,440mm)=1枚 2.9768㎡

記入例は 207.46㎡×1.10÷1.6562=137.8… → 138枚(3×6)です。これは新しく張る場合の目安で、同じ型枠を上の階や次の工区でもう一度使う(転用する)なら、買う枚数はもっと少なくなります。切り無駄の割合は、割付の図と会社の実績で決めてください。

現場でスマホで(アプリの拾い出し表PDF)

「型枠電卓」アプリは、部位を選んで寸法を入れるだけで型枠の面積を出し、そのまま現場ごとの拾い帳に1行足せます。壁はセパのピッチから、セパ・Pコン・フォームタイの本数も同時に拾います。明細から、部位ごとの集計・総型枠面積・コンパネの概算・セパの合計をまとめた「型枠数量拾い出し表」のPDFを作って共有できます。同じ明細から、材料屋に渡す発注書のPDFも出せます。

型枠電卓アプリで作った型枠数量拾い出し表のPDF。工事名 ◯◯邸新築工事、明細は 1F 外壁 北面・東西面・間仕切壁(壁)、1F 柱、2F 床梁、2F 床スラブの6行で、寸法・数量・面積・セパの本数が並ぶ。下に部位別の集計と、総型枠面積 267.52㎡、コンパネ概算(3×6・ロス10%込み)178枚、セパレータ 205本、Pコン 410個、フォームタイ 410本
型枠電卓で作った型枠数量拾い出し表のPDF(アプリの見本の工事・架空のデータ)。

本体は無料で、5つの計算機(型枠面積・セパとPコンの割付・生コンの体積・コンパネの枚数・単位の換算)と拾い帳・PDFまで試せます(PDFに「SAMPLE」の透かしが入ります・現場の保存は1件まで)。Pro版は一度きりの買い切りです。データは端末の中だけに保存され、電波のない現場でも使えます。

App Storeで見る ・ Google Playで見る

よくあるご質問

Q. 柱と梁、梁とスラブがつながる所は、どちらから引きますか? A. 積算基準では、基礎 → 柱 → 梁 → スラブ → 壁の順に「先の部材」に「あとの部材」がつながるものとして数え、梁とスラブ・同じ幅の柱と梁などは、先に拾った部材の型枠からつながる所を引きます。それ以外でつながる所の面積が 1.0㎡ 以下なら引きません。このページの記入例では、梁の側面の高さからスラブの厚さを引いています。

Q. サッシや換気口は全部差し引きますか? A. 1か所の見付面積が 0.5㎡ 以下の開口は差し引きません。0.5㎡ を超える開口は、建具の内法の寸法で差し引きます。開口の厚みの部分(見込み)の型枠は数えません。

Q. 基礎梁の底やスラブの上は拾いますか? A. 基礎梁は側面だけを拾い、底面は必要があるときだけ数えます。スラブの上の面は型枠を使わないので拾いません。斜めの面は、勾配が 3/10 を超える所だけ上の面の型枠を数えます。

Q. エクセルの型枠面積が計算されません。 A. 部位を一覧から選んでいるか、長さ L が入っているかを見てください。柱は L・W・H の3つ、梁は L・W・H、スラブは L・W、壁と基礎梁は L・H が要ります。全角の数字(3.0)は数字として扱われないので、半角で入れてください。

Q. 行が足りません。 A. 明細の行(たとえば No.29 の行)を行ごとコピーして、No.30 の行より上に「コピーしたセルの挿入」で足してください。数式も一緒に入り、下の合計の範囲も広がります。

Q. 拾い表の数量で、そのまま発注してよいですか? A. 拾い表の面積は図面の寸法から出した設計数量で、セパのピッチとコンパネの枚数は目安です。型枠の割付・転用の回数・ピッチは施工計画で決まるので、発注の前に図面と施工計画で確かめてください。

Q. テンプレートの利用に条件はありますか? A. ありません。商用・非商用を問わず、自由に書き換えて使ってください。表題を「型枠数量拾い出し表」などに変えてもかまいません。クレジット表記も不要です。

関連ページ

型枠の数え方(数える面・開口と接続部の扱い・端数の処理・設計数量と所要数量)は、2026年10月14日に国土交通省の公共建築数量積算基準(令和5年改定・本文のPDF)の第1編 総則と第4編 第2章 コンクリート部材で確かめた内容です。